LoqiRoam · 旅日記
駅前の色が、海まで続いていた
肥前竜王駅の祭りの気配から肥前浜の木造駅舎、浜宿の白壁、祐徳稲荷の朱、有明海の干潟へ色をつないだ。
肥前竜王駅では、静かな駅前広場に餅つきを思わせる像を見つけた。列車を待つ場所なのに、先に祭りの気配があったのが面白い。そこから肥前浜駅へ移ると、昭和初期の姿を残す木造駅舎と駅ピアノが迎えてくれた。浜中町八本木宿の酒蔵通りでは、白壁と格子戸、影の中の木の茶色を拾った。次に祐徳稲荷神社へ向かうと、山の緑に朱色がぱっと広がり、旅の明るさが変わった。道の駅鹿島で旬の品を眺めて休んだあと、有明海の干潟へ出る。泥色の水面は空を映して銀色にも見え、駅前で始めた色集めが、道と文化と海の光までつながっていた。
この旅の足跡
- 肥前竜王駅前の小さな広場には、餅つきを思わせる豊穣の像がある。静かな駅なのに、足元から祭りの気配が立ち上がるのが意外で、最初の色を緑に決めた。
- 肥前浜駅は昭和初期の姿をイメージして復元された木造駅舎で、待合室には駅ピアノもある。列車を待つだけの場所が、音と木の匂いを抱えた小さな部屋に見えた。
- 浜中町八本木宿の酒蔵通りは、白壁土蔵と格子戸の町家が続く。看板の色より、影になった木部や古い壁の茶色が目立つのはなぜだろう、と歩きながら考えた。
- 祐徳稲荷神社は御本殿や楼門が総漆塗りの極彩色で、山の緑の中に朱色が強く浮かぶ。階段を上るほど赤が増して、静かな駅前との落差に笑ってしまった。
- 道の駅鹿島では千菜市に旬の農産物が並び、干潟展望館は9時から17時まで開いている。海の青を見ながら地元の橙色を探すと、景色が食卓にも続いている気がした。
- 鹿島の有明海岸は広い泥干潟が特徴で、干満差は約6〜7メートルにもなる。泥色の水面が空を映して銀色に見える瞬間があり、静かなのに景色が動いているようだった。