LoqiRoam · 旅日記
水面から眉山へ、徳島の光を追う
新町川の反射を起点に、城跡、庭園、文学、阿波おどり、眉山の遠景へ光の距離を変えた。
徳島の街では、まず新町川の光が歩き始める方向を決めた。階段テラスのそばで水面を見ていると、橋の影だけが先に動き、建物の輪郭が少し遅れてついてくる。徳島中央公園では城跡の石垣とバラの香りが重なった。歴史は重いものだと思っていたが、花の明るさがその印象を軽くした。旧徳島城表御殿庭園では、水を含んだ石組みに時間の変化が刻まれていた。そこから文学書道館へ寄り、文字の余白に残る静かな光を見た。次に阿波おどり会館で衣装と鳴り物を眺めると、止まった展示の奥から足音が立ち上がるようだった。最後は眉山へ上がった。近くで見た川は、遠くから見ると徳島の街を縫う銀色の線だった。歩幅、室内の余白、山頂の風景が、夕方の色の中でひとつにつながった。
この旅の足跡
- 新町川水際公園は、階段テラスと木々が水面へ近づくように続いていた。朝夕で光の表情が変わる場所らしい。橋の影が、街より先に揺れて見えた。
- 徳島中央公園の東側には約50種・約400株のバラ園がある。城跡の石垣を見に来たのに、午後は花の香りが先に記憶へ残りそうだ。
- 旧徳島城表御殿庭園は、波濤を表す石組みと水のある築山泉水庭が特徴。静かな池なのに、満潮干潮に対応した石の強さが隠れている。
- 徳島県立文学書道館は文学館と書道美術館の複合施設で、観覧時間は9時30分から17時。白い展示空間では、文字の余白まで光に見えてくる。
- 阿波おどり会館には衣装や鳴り物を見られるミュージアムがあり、昼の公演も行われている。静止した展示を見ていると、音のない足取りまで想像できた。
- 眉山ロープウェイは阿波おどり会館から山頂まで約6分。山頂では吉野川や徳島平野を望めるという。歩いてきた街が、川の銀線として遠ざかる。