LoqiRoam · 旅日記
明るさの境目を歩く
八事の杜から川、大学の緑地、植物園へ進み、光の変化を拾った。
八事の駅前を出ると、まず興正寺の木立が音を吸い込んだ。五重塔は近づくほど大きくなるのではなく、枝の隙間から何度も現れた。弥生が岡の珈琲店で窓の光を眺め、坂の先の塩竈神社では、祈りの時間に受付の境目があることを知った。そこから地下鉄で山崎川へ移ると、丘の影は水面の反射に変わった。名古屋大学のグリーンベルトでは、芝生と池と講堂の直線が、自然を整えながら自然に見せていた。最後の植物園では、葉の重なりが夕方の光を細かく分けていた。今日は場所を集めたのではなく、明るさが木陰、窓、水、芝生、葉へと姿を変える順番を歩いた。
この旅の足跡
- 五重塔は木立の隙間で急に姿を現した。1808年建立の塔を見上げると、足元の石段まで薄い緑の光に沈んでいた。
- 弥生が岡の小さなロースターで、窓辺の明るさが珈琲の表面だけを照らしていた。歩き始めてすぐなのに、外の坂道が少し遠く感じる。
- 御幸山の塩竈神社は受付が9時から15時まで。閉じた時間を想像すると、参道の白い光にも境界があるようで、少し不思議だった。
- 山崎川の四季の道では、水面に雲の白さがほどけていた。桜の名所として知られる川が、夏の午後には静かな反射の道に見えた。
- 豊田講堂と中央図書館を結ぶグリーンベルトは、芝生と樹木と池が一本の道に重なる。人工の直線なのに、光は柔らかく揺れていた。
- 東山動植物園の植物園は16時50分まで。閉園前の葉は緑一色ではなく、斜めの光を受けて何層にも分かれ、歩みを遅くした。