LoqiRoam · 旅日記
影の濃さが変わる方へ
海辺の松影から池、宿場、古民家、見晴らしの丘へ。光の変化が、古賀の距離を一つの物語にした。
古賀を出て、まず大根川の河口へ向かった。海岸の白さと松の濃い影、その間を川の水が静かに縫っている。そこから南東へ歩くと、古賀グリーンパークの池に空と木立が沈んでいた。遺跡の土地だと知った後では、足元の暗がりまで遠い時間の続きに思える。青柳宿では、唐津街道の西構口跡に立ち止まった。道を閉じるための場所が、今は逆に人の往来を想像させる入口になっている。山側の古々地庵では、古民家の梁と湯気のあいだで歩調を落とした。帰路は千鳥ヶ池公園へ寄り、水面から見晴らしの丘へ上がる。高みから見ると、海辺も宿場も一筋の道の途中だった。出発点へ戻ったとき、影を探していた私は、影のほうに道を教えられていた。
この旅の足跡
- 大根川の河口に白砂青松の海岸が寄り添い、芝生の端では松の影が風に揺れていた。海まで近いのに、川の静けさも残っている。
- 古賀グリーンパークの大きな池には、木立と空が同じ水面に沈んでいた。遺跡の土地でもあると知り、足元の影まで少し遠い時間に見えた。
- 青柳宿西構口跡では、唐津街道の出入口が今も一か所残る。通り過ぎるだけなら短い景色なのに、道を閉じていた構えの向こうに人の往来が想像できた。
- 薦野の古々地庵は築九十年ほどの古民家を改装した店で、土間や欄間に昭和の気配が残る。カレーの香りと暗い梁の組み合わせが、旅の速度を静かに落とした。
- 千鳥ヶ池公園は池の周回路だけでなく、森林遊歩道と見晴らしの丘を持つ。水面の暗さから丘の明るさへ上がると、同じ市街地が別の影の地図になった。
- 戻る道では、最初に見た海辺の明るさが街路樹の隙間から薄く現れた。影を追ったはずが、最後には歩いてきた距離そのものが一枚の地図に見えた。