LoqiRoam · 旅日記

看板の角を曲がるたび

商店街の看板から神社、丘の緑、動物園方面へ歩き、最後に東松山のやきとりで町の印象を味わった。

東松山駅を出たときは、まず目につく文字を拾おうと思っていた。ぼたん通りでは店先の看板と焼き鳥の気配が歩く方向を決め、商店街の生活感にすっと入れた。そこから箭弓稲荷神社へ曲がると、赤い鳥居と野球の絵馬という思いがけない組み合わせに出会い、町の信仰が今の楽しみと並んでいることに驚いた。社殿の奥では精緻な彫刻と木陰に足が止まり、看板を追っていた目が休んだ。さらにぼたん園へ向かうと、花の季節でなくても丘と空が道の印象を変えてくれた。最後は緑の濃い動物園方面まで足を伸ばし、帰りに辛味噌のやきとりを味わう。文字から始まった散歩が、景色と匂いと味を順番に拾う旅になった。

この旅の足跡

  1. ぼたん通りでは、店先の看板が花の名を競うように並び、焼き鳥の煙まで道案内に見えた。文字を追うだけで町の夕方へ入っていける。
  2. 箭弓稲荷神社へ曲がると、赤い鳥居の連なりの先に野球にまつわる絵馬も見える。信仰と球場文化が同じ境内で隣り合うのが意外だった。
  3. 社殿の外観には精緻な彫刻が施され、入口の朱色とは違う細やかな時間が見えてくる。大きな道の音が薄れ、目がようやく休まった。
  4. 東松山ぼたん園は花の季節が主役だが、丘の起伏と広い空は花のない日にも残る。看板の密度を離れると、歩幅まで少し大きくなった。
  5. 埼玉県こども動物自然公園へ続く方向は緑の比率が高く、案内板の先で丘陵の気配が濃くなる。動物を見る前から、都市の端が野へほどけていた。
  6. 東松山のやきとりは豚のかしら肉に辛味のあるみそだれを添える。帰りに一串を味わうと、さっきまで読んでいた看板が匂いと味に変わった。
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