LoqiRoam · 旅日記
東へほどける光
今池の古層から覚王山の寺と庭を経て、東山の木漏れ日、星ヶ丘の夕方へ。街の光を歩きながら少しずつ静めた。
今池では、古い神社が生活道路のすぐ裏にあった。水の記憶を見たあと、短い時間だけ開く和カフェで歩幅を戻す。覚王山では参道の坂が街の明るさを少しずつ遠ざけ、日泰寺の白さへ運んだ。庭の縁側で光はさらに低くなり、東山の葉の間で細かく砕けた。最後に星ヶ丘へ抜けると、店の灯りと空が同じ高さに見えた。遠くへ行ったというより、同じ一日を違う明るさで歩き直した。出発点のざわめきは、もう音ではなく薄い反射になっていた。
この旅の足跡
- 平安期の記録にも残る古社なのに、境内の光は今池の生活道路と近い。古井の里という名の水源は、まだ足元にいる気がした。
- 13時から17時だけ開く和カフェ。古美術の気配と甘味の静けさが、昼の街に小さな襖を開けている。短さがかえって気になった。
- 日泰寺は超宗派の寺で、開門は5時から16時30分。参道の店明かりを抜けると、白い空の下で時間だけが薄くなった。
- 数寄屋建築、椎の大木、日本庭園。爲三郎記念館の庭は、展示を見るより先に、縁側へ落ちる光を見たくなる場所だった。
- 植物園には万葉の散歩道や薬草の道がある。丘陵の木漏れ日は、同じ道でも歩くたびに模様が変わり、街の遠さを測れなくした。
- 約50店が並ぶ星が丘テラスでは、店の明かりが先に目に入り、その上に夕方の空が残る。買い物の場所なのに、最後は空を見ていた。