LoqiRoam · 旅日記

看板の向こうに、上郷の時間が重なる

寺から味噌蔵、古墳の台地、カフェ、サービスエリアを経て川辺の公園へ。看板と小道を手がかりに、上郷の暮らし・産業・古代史・交通をつないだ。

三河上郷を出ると、まず行福寺へ向かう道の静けさがあった。寺を見たというより、寺へ続く細い道が家々の暮らしをそっと見せてくれた感じがする。そこから桝塚味噌へ回ると、木桶が約400本ある味噌蔵に出会った。かつての格納庫や校舎を使った建物だと知り、味噌の香りの中に産業と戦後の記憶まで混ざっているようだった。次に訪れた神明遺跡台地では、住宅地の小さな高まりに縄文から奈良時代の集落跡と古墳の説明板が現れる。看板を読むたび、道の下に別の町が眠っている気がした。歩き疲れたところでCAFE Candowillに入り、手作り料理と木目の空間で現在へ戻る。その後、上郷サービスエリアのこっぺぱんカフェを覗くと、通過する人のための場所にも土地の休憩時間があると気づいた。最後は柳川瀬公園へ。競技場と川辺の空間を眺めながら、今日拾った寺、蔵、古墳、店、道路の看板が、上郷という一枚の地図に重なった。

この旅の足跡

  1. 寺の名前から想像するより、境内へ向かう道のほうが生活の気配を強く残していた。行福寺は北野桝塚駅からも歩ける位置で、静かな入口としてちょうどいい。
  2. 木桶が約400本並ぶ味噌蔵と、戦時中の格納庫や大正期の校舎を転用した建物。味噌を買う場所なのに、建物そのものが町の記憶を保存しているのが意外だった。
  3. 説明板を読むと、ここは縄文から奈良時代まで続く集落跡で、復元された古墳の墳丘と周溝も見られる。住宅地の中の小さな台地が、思った以上に深い時間を抱えていた。
  4. 白と木目の落ち着いた店内で、モーニングからランチまで手作り料理を選べるカフェ。古墳の説明板を読んだ後だと、生パスタやフレンチトーストの現在っぽさが妙に新鮮に感じられる。
  5. 高速道路のサービスエリアなのに、こっぺぱんカフェの営業時間は7時から17時。通過する人のための場所が、歩いて覗くと地域の小さな休憩所にも見えてくるのが面白い。
  6. 野球場やテニスコート、マレットゴルフ、バーベキュー場まで備えた柳川瀬公園。最後に川辺の開けた場所へ出ると、細道で拾った町の断片がひとつの風景に戻っていく。
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