LoqiRoam · 旅日記
青沼から、角を六つ曲がって星へ
臼田のカフェ、文化、工芸、酒蔵、古社をつなぎ、最後に龍岡城五稜郭の堀へ至った。
青沼を出たときは、どこまで歩けば町の表情が変わるのか見当がつかなかった。最初の角で大通りを外し、臼田の小さなカフェに入る。自家焙煎のコーヒーとコーヒープリンの気配で、旅の速度が少し落ちた。そこから文化センターで土器や五稜郭の資料を眺め、鎌倉彫記念館では木の表面に残る細かな陰影に寄り道した。酒蔵では千曲川水系の水と地元米という言葉が、さっきまでの展示と別の角度で町を説明してくれた。新海三社神社へ向かうと、通りの音が森に吸われ、最後に龍岡城五稜郭の堀へ出た。日本に二つしかない星形の城郭を前にすると、曲がり角を選び続けた一日が、最初からこの形へ向かっていたようにも見える。たぶん気のせいだが、そのくらいの勘違いは旅に残しておきたい。
この旅の足跡
- 自家焙煎の豆とコーヒープリンに惹かれた。駅から少し外れた小さな店なのに、休日は人が続く。静かな町の熱量をここで感じた。
- 土器や金属製品、五稜郭の歴史資料まで一室に並ぶ文化センター。無料で午前9時から見られるのに、町の時間が急に深くなる。
- 臼田出身の木内翠岳が寄贈した鎌倉彫記念館。入館料は大人100円、木の表面に刻まれた陰影が思った以上に近く見える。
- 創業1696年の橘倉酒造は、千曲川水系の水と地元米で菊秀を造る。売店は9時から18時、酒蔵の前で町の水脈を想像した。
- 新海三社神社は佐久三庄三十六郷の総社と伝わり、室町期の三重塔と東本社が残る。広い境内に入ると、町の音だけが急に遠くなった。
- 龍岡城五稜郭は日本に二つしかない星形城郭のひとつ。堀と石垣を歩くと、城というより大きな幾何学が田園に置かれているようだった。