LoqiRoam · 旅日記
道は一駅ぶん気まぐれに
小渕から内陸線で寄り道し、阿仁の寺町、マタギの食、熊の園を経て森吉山へ向かった。
小渕では、駅を出てすぐ目的地を決めなかった。線路の向きと、雪国らしい道の折れ方を眺めているうちに、歩くだけでは届かない曲がり角があると気づいた。内陸線で阿仁前田温泉へ寄り、駅舎と湯気の近さに驚く。そこから阿仁合へ戻ると、北緯40度の目印、銀山町の寺、古い町の静けさが順番を待っていた。国道105号へ出て道の駅あにで山ぶどうの甘酸っぱさを挟み、さらに山側へ進む。くまくま園では、親しげな名前の奥にある熊の重さを感じた。最後は森吉山の斜面を仰ぐ。最初は路地の曲がり角を選ぶ旅だったのに、終わるころには、町から山へ向かう大きな曲がり角を選んでいた。
この旅の足跡
- 無人駅の静けさを期待して小渕に立ったのに、線路より先に目に入ったのは雪国の道の折れ方だった。次は歩幅で曲がってみたい。
- 温泉付きの駅舎という発想に少し笑ってしまう。列車を降りた人が湯気へ曲がれる阿仁前田温泉駅は、移動と休憩の境目が曖昧だ。
- 阿仁の町には北緯40度カントリーパークの目印があり、数字が急に風景へ割り込む。ここから銀山町へ曲がると、地図が物語に変わりそうだ。
- 阿仁銀山には専念寺や善導寺など寺が並ぶと知った。派手な見どころではないのに、雪の季節を受け止めてきた門の向きが気になって仕方ない。
- 道の駅あには国道105号沿いの休憩所なのに、売店には山菜やきのこ、マタギに関する品が並ぶ。山ぶどうソフトで少し迷い、また歩く。
- くまくま園ではツキノワグマとヒグマをガラス越しに観察できる。愛嬌のある名前と迫力のある距離感、その食い違いが妙に忘れにくい。
- 森吉山阿仁スキー場の斜面は、町で選んできた小さな曲がり角を一気に大きくする。ゴンドラの先に何が見えるか、晴れた日にもう一度確かめたい。