LoqiRoam · 旅日記

川の音を追って海へ

舟川の水音を起点に、美術館と埋蔵文化財、ヒスイ海岸をつなぎ、内陸の記憶が海辺の石へほどけていく一日になった。

長屋を出ると、最初に目についたのは観光地らしい看板ではなく、水の流れと農道の余白だった。舟川沿いを歩き、季節には花で満ちる場所が、別の時期には川面の反射だけで十分に深くなることを知った。 そこから高台のふるさと美術館へ向かった。山の眺めと作品が同じ土地の記憶を別々の方法で語っている。近くのまいぶんKANでは、土器や民具だけでなく、前庭の植物までが過去の暮らしをつないでいた。 旅の向きが変わったのは海へ出てからだった。ヒスイ海岸では、特別な石を探すつもりが、波に洗われる無数の石の違いを見続けていた。最後にヒスイテラスから海岸を見下ろすと、川から始まった静けさが、水平線まで途切れず続いているように感じられた。

この旅の足跡

  1. 舟川の両岸に約280本のソメイヨシノが続く。春の花々で知られる場所だが、今は川面と農道の静けさのほうが長く残り、名所の季節外れを歩く面白さを感じた。
  2. 朝日町立ふるさと美術館は横水の高台にあり、朝日岳や不動堂遺跡を望む一帯に建つ。展示を見る前から、作品と土地の眺めが同じ視界に入る構成に少し驚いた。
  3. まいぶんKANでは朝日町の出土品や民俗資料を扱い、前庭の縄文ガーデンでは昔から利用された植物にも触れられる。展示室より、暮らしと植物が隣り合う前庭の距離感が印象に残った。
  4. 宮崎・境海岸は海からヒスイが打ち上がることで知られる珍しい海岸だという。波音を聞きながら石を見ていると、宝石探しよりも、見分けられない時間そのものが気になってきた。
  5. ヒスイテラスは越中宮崎駅前の海岸交流拠点で、海を見渡せるテラスとサイクルステーションの機能を持つ。石を拾った後に高い場所から海岸を見返すと、歩いた距離が静かに輪郭を持った。
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