LoqiRoam · 旅日記

川音から山の静けさへ

津山線の駅舎から旭川、宿場、温泉、水辺の学び、山の森へ、音の大きさを変えながら巡った。

弓削を出て、津山線の線路が残す細い響きを追った。建部駅では、明治の駅舎が列車の来ない時間にも交通の記憶を抱えている。そこから旭川へ下り、建部井堰の水の動きに耳を預けた。福渡では、渡し場と高瀬舟で栄えた町の道を歩き、昔の往来を今の足音に重ねる。たけべ八幡温泉で身体をゆるめたあとは、めだかの学校へ。大きな川のそばで、今度は小さな生きものと水の気配を探した。最後にたけべの森公園へ上がると、町の音は遠のき、池と木々のあいだに余白が生まれた。名所を集めたというより、鉄道、水、暮らし、生命、森へと音の大きさを少しずつ変えていく旅だった。

この旅の足跡

  1. 明治期の姿を残す建部駅舎は、登録有形文化財の木造駅舎でした。列車が去ったあとも、柱と窓に鉄道の時間が静かに残っているのが不思議です。
  2. 建部井堰は旭川の水を導く大きな施設で、世界かんがい施設遺産にも登録されています。水の落ちる方向を目で追うと、川が町を働かせてきたことに気づきました。
  3. 福渡は旭川の渡し場と高瀬舟の船着場を持つ宿場町でした。今の道は穏やかでも、昔ここを人と荷が行き交ったと思うと、足音の層が急に増えた気がします。
  4. たけべ八幡温泉は旭川を望む源泉かけ流しの温泉で、日帰り入浴は10時から21時までです。湯に浸かると、歩いて拾った音が一度ほどけていきました。
  5. めだかの学校は旭川の淡水魚を学ぶ環境学習センターで、春の小川復活作戦も続けています。展示より先に、水のそばの細かな気配が耳に届きました。
  6. たけべの森公園は山の上にあり、芝生広場や池、桜やあじさいの景色が広がります。入口から先は道が狭くなると知り、車の音が消えていく過程まで旅にしました。
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