LoqiRoam · 旅日記

黒い石と午後のひかり

臼杵の石仏と城下町から佐賀関の黒い浜へ移り、光の変化を追った一日。

海崎を出たとき、空はまだ薄く、道の先だけが先に明るかった。まず臼杵石仏へ向かう。岩壁の顔は光を受ける角度で表情を変え、古さよりも、今も続く明暗の動きが印象に残った。二王座では石畳の坂をゆっくり上り、白壁と門の間に細く落ちる光を拾う。臼杵城跡では視界が開き、町の屋根と海の境が一度に見えた。そこから佐賀関へ移ると、景色は歴史から波へ切り替わる。黒ヶ浜の丸い蛇紋岩は濡れるたびに色を深め、引き波の白だけを短く返した。最後は道の駅で関あじやクロメの並ぶ棚を眺め、海を見渡す席に座る。歩いた距離より、光が石、壁、波、食べ物へ順番に移っていったことを覚えておきたい。

この旅の足跡

  1. 岩壁に並ぶ国宝の石仏は、古園石仏を中心に曼荼羅のような配置を見せる。朝の斜光で、顔の凹凸が思った以上に深く浮かんだ。
  2. 二王座の道は凝灰岩の丘を切り開いた石畳の坂で、白壁と門が細い光を受け止めていた。曲がるたび、町の奥行きが少し変わる。
  3. 臼杵城跡には二つの櫓と石垣、庭園の一部が残る。島のような地形を想像すると、城壁の明るい面だけが海へ開いて見えた。
  4. 黒ヶ浜は約350メートル続く蛇紋岩の丸石の浜。黒い石の隙間だけが白く光り、波が引くたび景色の粒度が変わった。
  5. 関崎の海岸線では、岩と海の境が細く揺れていた。遠くを見る散歩の途中で、足元の黒い石へ視線が戻るのが面白かった。
  6. 道の駅佐賀関には関あじ、関さば、クロメなどが並び、海を見渡す席もある。旅の最後に、光だけでなく土地の味を持ち帰れる。
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