LoqiRoam · 旅日記
水面から書斎へ、予定外の曲がり角
湖北を起点に、手賀沼の水辺、鳥の博物館、白樺派ゆかりの場所、記念館、図書館を曲がり角でつないだ。
湖北を出たときは、手賀沼を見て戻るくらいのつもりだった。けれど水の館の展望室を調べているうちに、沼は景色ではなく、鳥と人の時間が重なる場所に思えてきた。鳥の博物館で巨大な鳥の復元模型に出会い、水面の静けさを別の尺度で見直す。そこから白樺文学館へ向かう道では、柳兼子のピアノの存在が妙に気になり、志賀直哉邸跡の書斎では、曲がり角の先に文章が生まれる気配を勝手に想像した。杉村楚人冠記念館で新聞や書簡の世界へ寄り道し、最後はアビスタの本と屋上の沼へ戻る。遠くへ行ったわけではないのに、視線だけが何度も旅をした一日だった。
この旅の足跡
- 湖北を出て手賀沼親水広場へ向かった。展望室の望遠鏡があると知り、遠くを見る前に、沼が思ったより生活の近くにあることに少し驚いた。
- 鳥の博物館では、手賀沼の鳥から絶滅した巨大鳥の復元模型まで見られる。水面の静けさの裏に、こんな大きな時間が隠れていたのかと思う。
- 白樺文学館には柳兼子が愛用したピアノが展示されている。文学館なのに音の気配まで想像させられ、展示室の静けさが急に濃くなった。
- 志賀直哉邸跡の書斎は土日に公開され、雨天は中止になる。ここで作品が生まれたと知ると、何気ない曲がり角まで執筆の前室に見えてくる。
- 杉村楚人冠記念館では書簡や読んだ本、俳句や絵の軸も紹介される。新聞人の仕事場を想像していたのに、最後に残ったのは安息の地としての我孫子だった。
- アビスタは図書館を備え、屋上から手賀沼を一望できる。旅の最後に本と水面を同じ場所で眺めると、歩いた道が一冊の薄い本になった気がした。