LoqiRoam · 旅日記

角をひとつ多く曲がる

新綱島から古民家、商店街、社寺、丘、水辺、古社の森へ、道の表情を変えながら歩く旅。

新綱島の新しい出口を出て、まず池谷家住宅へ向かった。駅前の再開発のすぐ近くに、1857年築の古民家と、桃で知られた綱島の記憶が残っている。まちの時間は一直線ではないらしい。そこから綱島商店街へ入り、約400店の気配を横目に、予定していた通りを一度外れて短い横道を選んだ。諏訪神社では桜の枝が根付いたという伝承に出会い、さらに綱島公園の木立へ上がる。丘の小径を下ると、今度は鶴見川の河川敷。閉じた道から急に空が広がる瞬間が、この旅でいちばん鮮やかだった。最後は師岡熊野神社へ足を延ばし、池と森の古い話の中で歩みを止めた。曲がり角は迷いではなく、景色を切り替える小さな装置だった。

この旅の足跡

  1. 新しい駅前のすぐ脇に、1857年築の池谷家住宅主屋が残る。桃の名産地だった綱島の記憶が、再開発の景色にふいに差し込んできて面白い。
  2. 綱島商店街は7つの商店会に約400店。大通りだけでなく、店先の短い横道を選ぶと、街が観光地ではなく生活の場所として見えてくる。
  3. 綱島東の諏訪神社は、境内の桜の枝が根付いたという伝承を持ち、琴平社や三峯社などの末社もある。由来を読んだ後だと、社殿までの道が少し昔めいて見える。
  4. 綱島公園は木立の中を曲がる小径があり、こどもログハウスや綱島古墳も近い。丘に上がるだけで、駅前の音が薄くなるのが思いがけなかった。
  5. 鶴見川沿いには河川敷と遊歩道が続き、散歩やジョギングの人が行き交う。丘の細い道から出た瞬間に空が大きくなり、街の見え方まで変わった。
  6. 師岡熊野神社は724年に開かれたと伝わり、境内には「い」の池や「の」の池の故事も残る。水辺の後に森へ入ると、旅が急に深い時間へ沈んでいく。
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