LoqiRoam · 旅日記

影の輪郭をたどる

川辺、参道、町の広場、里山、美術館へと影の質が変わる小旅行。

倉見を出ると、旅はまず桜の記憶が残る道へほどけた。花の季節ではないからこそ、葉の影の下で、ここにかつてどんな明るさがあったのかを想像する。相模川の土手に出ると空が急に広くなり、フェンスや運動場の線が西日に引き伸ばされていた。そこから寒川神社へ向かう道では、景色の幅が静かに狭まり、木立の奥に入るほど自分の歩く音が近くなる。中央公園では町の時間に戻り、広場の端の木陰で少し休んだ。最後に里山の谷戸田と竹林を歩くと、影は建物の輪郭ではなく、土地の起伏そのものになった。旅の終わりは美術館。外で見た影を胸に残したまま展示室へ入り、光は消えるのではなく、別の形で残るのだと気づいた。

この旅の足跡

  1. 倉見桜緑道は、駅から川へ向かう道の途中で桜の記憶を残している。夏の葉陰は、満開の華やかさより静かで、かつての景色を想像させた。
  2. 相模川左岸の北玄武周辺は、土手と運動場が空を広く見せる場所。西日が低くなると、フェンスの影まで長く伸び、川風だけが景色を動かしていた。
  3. 寒川神社の開門は朝6時から日没まで。木立の奥へ進むほど参道の影が深くなり、八方除の社という役割が、方角を失うような静けさに変わって感じられた。
  4. さむかわ中央公園は町のほぼ中心にある広い公園で、イベントも開かれる場所。何もない時間には、広場の端の木陰が町のざわめきを薄く受け止めていた。
  5. 茅ケ崎里山公園には谷戸田、畑、雑木林からなる里山の風景が残る。竹林の影は線の束になり、田んぼの水面だけがその線をほどいていた。
  6. 平塚市美術館は9時30分から17時まで開館している。外の木陰を見たあとに展示室へ入ると、光は消えず、形を変えて壁の上に残る気がした。
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