LoqiRoam · 旅日記

丘の電波、海の記憶、最後は花の国

YRPの水辺と通信史から長沢の記憶へ下り、海岸と久里浜港を経て、花の国の丘で旅を閉じた。

YRP野比では駅前をすぐに離れた。最初の曲がり角で丘側へ向かい、光の丘水辺公園の人工池を覗く。研究施設のそばに、野鳥や植物のための静かな水面があるのが少し可笑しい。近くの無線歴史展示室は予約制だと分かり、扉の向こうを想像するだけの寄り道になった。そこから長沢へ下り、長岡半太郎と若山牧水の記念館で、科学と旅の気配が同じ部屋に並ぶ不思議を味わう。海岸へ出ると、房総半島の向こうへ視線が伸びた。久里浜港では住吉神社の古い由緒に足を止め、ペリー公園では記念碑よりも、砂浜を横切る船と煙突の組み合わせが印象に残る。最後はくりはま花の国へ。海を見て終わるつもりが、丘の緑に引っ張られてしまった。こういう予定変更なら、歓迎したい。

この旅の足跡

  1. 四つの人工池と緑地がYRPの丘の一角に隠れている。水面は静かなのに、ここが電波の研究拠点だと思うと、見えないものまで観察したくなった。
  2. ペリー来航から5Gまでをたどる無線資料館は、見学が原則予約制。入れない可能性がある場所をあえて経路に残すと、旅に少し宿題が生まれる。
  3. 長岡半太郎の愛用品と若山牧水の書が同じ館に並ぶ。原子模型と旅と酒の気配が一つの建物に同居していて、静かなのに妙に振れ幅が大きい。
  4. 野比海岸の道では東京湾の向こうに房総半島を望める。海を見に来たのに、最初に気になったのは防波堤と住宅の間に残る細い余白だった。
  5. 久里浜港のそばの住吉神社は約千年前の創建と伝わる。港の気配は現代的なのに、ここだけ祈りの時間が折り重なって見え、曲がる方向を少し迷った。
  6. ペリー公園には久里浜上陸を記念する碑があり、前の砂浜から東京湾フェリーと大きな煙突が見える。開国の記念地なのに、視線は船の行き先へ逃げていった。
  7. くりはま花の国は花をテーマにした広い自然公園で、季節の花と足湯まである。海沿いの旅の最後に丘へ上がると、道そのものが別の章に変わる気がした。
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