LoqiRoam · 旅日記

坂道の先で、光がほどける

成田の坂道、寺、公園、美術館を経て、空港側の丘で光の尺度を変えた散歩。

京成成田を出たとき、光は駅前の看板やガラスに硬く跳ねていた。表参道の坂を上ると、庇と電線がその光を細く切り、店先の影が歩く速度を決めていく。門前の大本堂では、古い道の先に大きな現代の堂が現れ、視界の重さが変わった。少し戻った小道で庭の金魚を眺め、甘味をひとつ。賑わいが遠のくと、成田山公園の池に木々と空が揺れた。浮御堂のまわりで鯉が水面を崩し、そのあと書道美術館で線の濃淡を見る。紙の上にも、さっきの水のような時間があった。最後はバスでさくらの山へ向かった。寺の屋根を見ていた目に、飛行機が大きく横切る。桜の木の下で、空の白さと機体の影が一瞬だけ重なった。遠くへ来たというより、同じ光が別の大きさになった一日だった。

この旅の足跡

  1. 駅を出ると、表参道は約800メートルの坂道になっていた。店先の庇が日差しを細く切り、歩くほど光の幅が変わる。
  2. 大本堂の奥へ進むと、1968年建立の大きな堂が空を押し上げていた。古い参道の先に現代の量感が現れるのが意外だった。
  3. 細い小道の先に、金魚のいる庭とクリームあんみつがあった。賑やかな参道から数歩で音が薄まり、甘さまで静かに感じた。
  4. 竜智の池の浮御堂に光が細長く映っていた。三つの池をめぐる散策路では、鯉が水面を割るたび景色が一度だけ崩れた。
  5. 三の池のほとりにある書道美術館は、江戸から現代までの書を収める。水面の揺れを見たあとでは、線の濃淡が光の記録に見えた。
  6. 丘の上では、桜の木の下を飛行機が横切った。空の駅さくら館は9時から17時、園内は6時から23時で、夕方の光を待てる場所だった。
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