LoqiRoam · 旅日記

朱色の先で、三つの小さな発見

JR藤森から深草の古社寺、伏見稲荷の朱色、茶の休憩、大岩山の眺望をつないだ旅。

JR藤森を出ると、まず藤森神社の静かな境内で、駅の近くに千八百年級の時間が息づいていることに驚いた。そこから坂と細い道をたどると、宝塔寺の門と多宝塔、瑞光寺の茅葺き屋根が順に現れた。大きな名所を急いで集めるというより、古いものの残り方を一つずつ覗く感じがよかった。やがて伏見稲荷大社の朱色へ入り、狐の表情を眺めながら歩く。色の密度が高まったところで稲荷茶寮に逃げ込み、八嶋池の水音と抹茶でひと息ついた。最後は大岩山へ向かい、竹林の道を抜けて伏見の街を遠くから見る。今日集めた三つは、暮らしのそばの古社、茅葺きに残る草庵の気配、そして朱色の森の先に開く眺め。近い場所でも、歩く速度を変えるだけで旅は深くなる。

この旅の足跡

  1. 藤森神社は約千八百年前の創建と伝わり、勝運と馬の社として今も親しまれている。駅近なのに、鳥居をくぐると空気がすっと古くなるのが意外だった。
  2. 宝塔寺では、室町時代中期の四脚門と、永享年間以前の多宝塔が残る。住宅地の坂を上った先に、こんな古い立体感が隠れているとは思わなかった。
  3. 瑞光寺の本堂は、深草では珍しい茅葺き屋根を持つ。1655年に元政上人が草庵を結んだ場所で、屋根の丸みまでが時間を柔らかく見せていた。
  4. 伏見稲荷大社では、狐の像が鳥居だけでなく境内のあちこちにいる。朱色の反復に目を奪われていたら、狐の表情の違いまで気になってきた。
  5. 稲荷茶寮は啼鳥菴の中にあり、八嶋池へ流れる水音と庭の緑を眺めながら抹茶を味わえる。鳥居の濃さの中に、思いがけず水辺の静けさがあった。
  6. 大岩山展望所へは竹林と雑木林の中の参道を進み、伏見桃山城や南西の街を見渡せる。鳥居の森を抜けて景色が急に開く転換が印象に残る。
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