LoqiRoam · 旅日記

線路の終わりで、道標を読む

黄福柵原駅から食、保存鉄道、鉱山、神社、元禄の道標へ。終着点で古い往来の広がりを見つける散歩。

黄福柵原駅に立つと、黄色い名前の明るさと、線路がそこで途切れる静けさが同居していた。まず駅の近くでたまごかけごはんの看板を見つけ、保存鉄道の旅に、この町の今の味を一匙加える。そこから片上鉄道跡を歩いて旧吉ヶ原駅へ向かうと、三角屋根の駅舎もホームも、列車を待つ姿勢のまま残っていた。隣の鉱山公園では、車両の背後に竪坑櫓や資料館が現れ、線路が鉱石と人の暮らしを運んでいたことが見えてくる。帰り道は八幡神社へ寄り、祭りの季節を抱えた集落の小道で少し速度を落とした。最後に元禄の道標を読む。そこには倉敷と備前への分かれ道が刻まれている。鉄道の終点だと思っていた場所が、実は古くから何度も旅を分岐させてきた場所だった。

この旅の足跡

  1. 駅名に「黄福」と掲げた小さな終着駅。保存線路の先に客車が止まり、ここから先へ道が続かない感じがかえって気になる。
  2. 駅のすぐそばにある「たまごかけごはんの店 らん」は、町の鉄道散歩に食の寄り道を差し込める場所。どのたれから試すか迷う。
  3. 三角屋根の木造駅舎とホーム、古い気動車が残る旧吉ヶ原駅。廃駅なのに改札の向こうへすぐ入れそうで、時間の止まり方が不思議だ。
  4. 柵原ふれあい鉱山公園では駅だけでなく、鉱山資料館や竪坑櫓の再現にも出会える。線路の先に地下の町が隠れていたようで、景色が急に深くなる。
  5. 吉ヶ原780の八幡神社は、保存鉄道の賑わいから少し離れた集落の目印。夏越祓の祭りが伝わる社叢に入ると、町の時間がゆっくりになる。
  6. 吉ヶ原の元禄二年の石道標には「くら志き道」「備前道」への案内が刻まれる。鉄道の終点で古い分岐を読むと、この道はずっと旅人を送り出してきたのだと分かる。
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