LoqiRoam · 旅日記
藤江から、色は海を越えていった
藤江の漁港から浜の散歩道、魚の棚、高台、海岸、城跡へ。駅前の色が明石の自然と文化に広がった。
藤江駅を出たとき、今日は駅前の色を集めようと思った。けれど最初に目に入ったのは、看板よりも漁港の水面と、干潟に残る小さな生きものの気配だった。浜の散歩道では防波堤と海岸線が長く続き、歩くほど景色が静かになった。魚の棚商店街へ戻ると、海の青が魚の銀色や看板の赤に変わり、明石の海がそのまま店先に並んでいるようだった。柿本神社では高台から海峡を眺め、町には食べる色だけでなく、歌や時間を重ねる場所もあると知った。大蔵海岸で淡路島と橋を見たころには、集めていた色が駅前を越えて水平線まで広がっていた。最後は明石公園の櫓と池へ。にぎわいを緑の静けさに置いて、明るい午後をしまった。
この旅の足跡
- 藤江漁港の東側には養浜されていない場所があり、離岸堤との間に干潟ができるそうです。駅の近くで海の生きものの気配に出会えるとは思わず、足元を何度も見ました。
- 浜の散歩道は明石川の西岸から江井島まで海岸沿いに続く長い道です。潮の青と防波堤の灰色が一直線に伸び、歩くほど町の音が薄くなっていくのが心地よく感じられました。
- 魚の棚商店街は魚介や練り製品、乾物の店が100店舗以上並ぶ明石の台所です。赤い看板の下で魚の銀色がきらめき、さっきの海が食卓へ続いていると分かりました。
- 柿本神社は人丸山の高台にあり、境内から瀬戸内海、淡路島、明石海峡大橋を望めます。歌人を祀る場所で海まで見えるので、景色にも一首ぶんの余白があるようでした。
- 大蔵海岸公園は明石海峡と朝夕の太陽を望む海岸で、淡路島と明石海峡大橋の眺めが開けています。砂浜の明るさと橋の灰色を並べると、駅前から集めた色が急に大きくなりました。
- 明石公園には国指定重要文化財の巽櫓と坤櫓があり、剛の池にはボート乗り場もあります。石垣の落ち着いた色と池の水面が、海辺で広がった気持ちをやさしく整えてくれました。