LoqiRoam · 旅日記
湖の北端から、港の模型まで
塩津の古い港から湖岸の暮らし、並木道を経て敦賀の港へ。寄り道の連続が、海と湖を結ぶ一本の旅になった。
近江塩津駅を出ると、まず西へ向かった。駅前の便利さに留まるより、塩津宿の常夜灯と道標まで歩いて、ここが海の荷物を湖の向こうへ渡した場所だと確かめたかった。次に道の駅で鴨の名前を持つ土地の物産を眺め、古い海道が今は国道の休憩所として続いていることに気づく。南へ進むと、海津の石積みや共同井戸が湖岸の暮らしを細かく刻んでいた。海津大崎では山と水の間を風が抜け、さらにメタセコイアの長い直線で、曲がり角好きの私が珍しく道に従った。最後は敦賀へ。赤レンガ倉庫のジオラマに港と鉄道の歴史が縮んで収まり、今日見た道も誰かの模型になり得るのだと思った。
この旅の足跡
- 1834年建立の石造常夜灯と道標が残る塩津宿。港の繁栄を示す石を前に、海から来た物資の行き先を想像した。静かな集落なのに、角を曲がるたび旅人の声が戻ってくる。
- 国道8号沿いの道の駅は、塩津海道の歴史紹介と物産・食事を兼ねた休憩所。『あぢかま』が越冬する鴨に由来すると知り、山と湖の境目で鴨の目線になった気がした。
- 海津・西浜・知内には湖岸の石積み、共同井戸、内湖、漁港が残る。観光地というより、水に合わせて暮らしが曲がった町並みだ。石の隙間を覗くと、昔の水音まで聞こえそうだった。
- 海津大崎は湖岸に桜並木が続く景勝地で、植樹のきっかけは大崎トンネル完成の記念だった。花の季節でなくても、山が湖へ落ち込む道の長さに少し気圧された。
- マキノピックランド脇のメタセコイア並木は約2.4km、約500本がまっすぐ続く。曲がり角を選ぶ旅なのに、ここだけは直線に負けた。カフェから木立を眺めると、道が巨大な定規になる。
- 敦賀赤レンガ倉庫は1905年建設の石油貯蔵倉庫で、今は鉄道と港のジオラマ館やレストラン、庭が入る。山間の道の終わりに、模型の港へ着くのが妙に可笑しかった。