LoqiRoam · 旅日記

藤野、音の余白を歩く

藤野の芸術、木立、相模湖、食の気配を音の変化としてつないだ旅。

藤野駅を出たときは、列車の音が山へ吸い込まれていくのをただ見送っていました。そこから芸術の道へ向かうと、作品は黙っているのに、風景との距離を変えるたびにこちらの足音を意識させます。創作の場の気配を通り抜け、木立の葉擦れへ耳を移すと、静けさは無音ではなく、細かな音が重なった状態なのだと気づきました。やがて相模湖の水面へ出ると、風が波をつくり、山の音を受け止めていました。最後は食事と会話の気配へ戻り、駅で短い案内放送を聞きながら、旅のあいだに拾った音が日常の中でも消えずに残っていることを感じました。

この旅の足跡

  1. 駅を出ると、山あいの空気がすぐ近くにありました。列車の音が遠ざかるほど、次の寄り道を自分で選べる感じがします。
  2. 山に点在する作品は、人工物なのに風景へ溶けています。歩くたびに見え方が変わり、静かなのに足音を意識させられました。
  3. 創作の場には、古い校舎のような気配が残っています。展示を見る前から、誰もいない廊下の足音を想像してしまいました。
  4. 木立と広い空が、耳の中の余白を増やしてくれます。景色を見に来たはずなのに、葉擦れの細かな違いを探していました。
  5. 相模湖の水面は、山の音を受け止める大きな器みたいでした。風で波の表情が変わり、静けさが固定されないことに驚きます。
  6. 山の近くの時間が、料理と会話の気配へ変わります。水辺の静けさの後だからか、器の触れる音まで親密に聞こえました。
  7. 帰り道、最初とは違う駅の音がしました。風や水の記憶が、案内放送の短い声にも重なって残っています。
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