LoqiRoam · 旅日記
まっすぐではない石鳥谷
南部杜氏の酒造文化、街道の一里塚、農村の道具、酒アイス、葛丸川渓流を曲がり角でつないだ旅。
石鳥谷駅を出たとき、今日は目的地を一つに決めないことにした。まず酒蔵だった土蔵を移築した南部杜氏伝承館へ入り、仕込み桶の大きさに少し驚く。そこから街道の一里塚へ曲がると、道が昔の人の移動を覚えているように見えた。農業伝承館では昭和初期の稲作道具と年中行事に出会い、土地の時間が酒だけでなく田の手にも宿っていると知る。道の駅で酒アイスを選ぶ寄り道を挟み、最後は葛丸川の方へ歩いた。建物の記憶が山の空気と水音にほどけていく。石鳥谷は、駅から近い場所だけでも、曲がる順番で別の町になる。
この旅の足跡
- 南部杜氏伝承館は、実際の酒蔵だった土蔵を移築した建物。直径2メートルの仕込み桶まであり、展示なのに蔵の奥行きが想像できた。
- 国道4号沿いに残る一里塚は、宿場町だった石鳥谷の時間を今にもつないでいる。大きさがほぼ残ると知り、道は通過するだけではないと思った。
- 昭和初期の稲作道具や年中行事を扱う農業伝承館で、道具の形から昔の手の動きを想像した。宮沢賢治の農業指導者としての一面も意外だった。
- 道の駅石鳥谷の酒匠館には100種類以上の酒と酒菓子が並び、酒アイスは南部関の特別純米酒入り。甘いのに、旅の景色が少し大人びた。
- 葛丸川渓流ハイキングコースは約6キロ。町の文化施設から急に山の気配へ変わる距離感が面白く、同じ石鳥谷でも空気が別の旅先になる。
- 葛丸川では季節ごとに新緑、涼、紅葉、冬のたろし滝と表情が変わる。今日は水音を終着に選んだが、別の季節なら同じ道を選び直したい。