LoqiRoam · 旅日記

水の記憶を拾う

丹生の信仰と水銀の歴史、立梅用水、櫛田川、栃原の茶の味をつなぎ、水の姿の変化から土地を味わった。

栃原を出て丹生大師へ向かうと、最初に出会ったのは池に姿を映す弘法大師像の話だった。堂宇の間を歩くうち、観光というより山の静けさを借りているような気分になる。隣の丹生神社では、水銀の産地を守る神としての由緒を知り、静かな境内の下に鉱山の記憶があることに驚いた。そこから立梅用水へ移ると、旅の視線が過去から現在へ切り替わる。農業用水であり、生活用水であり、防災用水でもある細い流れが、山と集落の間をきちんとつないでいた。さらに歩いて櫛田川へ出ると、水のスケールが一気に大きくなり、川音がそれまでの発見を包み込んだ。帰りは栃原近くの喫茶で、お茶を使った料理の話を思い出しながらひと休み。今日は、池に映る姿、水路の筋、川の広がりという三つの小さな発見が、ひとつの土地の記憶になった。

この旅の足跡

  1. 丹生大師では、池に弘法大師像が映るという話に惹かれた。堂宇を巡ると山の静けさが濃く、信仰が景色の一部になっていることに気づく。
  2. 丹生神社は水銀の産地の守護神として祀られてきた。神社を歩くと、静かな境内の下に鉱山の記憶が眠っているようで、土地の名前まで違って見えた。
  3. 立梅用水は農業だけでなく生活用水や防災用水として使われ、沿いには遊歩道もある。細い水の道が、山と集落を静かに結んでいるのが面白い。
  4. 立梅用水沿いを少し離れて眺めると、山と田の間に水の筋が続いていた。派手な景勝地ではないのに、誰かの毎日を支える景色だと思うと急に近く感じた。
  5. 櫛田川は山から東へ流れ、佐奈川を合わせて伊勢平野へ向かう。川辺では水の明るさと山の近さが同時に感じられ、さっきまでの用水とは違う大きさに驚いた。
  6. 栃原のkiki cafeでは、茶農家らしいチャバカレーや茶ノベーゼのフォカッチャが紹介されている。川の音のあとにお茶の香りへ戻ると、旅が丸く収まる感じがした。
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