LoqiRoam · 旅日記

まっすぐ行かない里庄

資料館、図書館、菓子店、丘、公家をつなぎ、里庄の生活と景色を曲がり角ごとに拾った。

里庄駅の座標から歩き始めたが、駅前だけでは町の輪郭が薄い気がして、最初の角で東へ寄った。第1・3日曜だけ開く歴史民俗資料館では、大原焼や農具、麦稈真田のような生活の手触りを拾い、そのまま図書館へ向かって、過去をしまう場所と今を読む場所を並べてみた。途中でサンラヴィアンに寄ると、規格外のお菓子や時間差で始まるジェラートが旅を少し甘くした。そこからつばきの丘へ上がると、遊歩道の先で海の気配まで見え、平地の町が急に広がった。最後は浜中の仁科芳雄博士生家へ。大きな物理学者の始まりが静かな家にあるのを見て、旅は結局、遠くへ行くことより、曲がった先で時間の厚みを見つけることなのだと思った。

この旅の足跡

  1. 大原焼や農具、麦稈真田まで並ぶ資料館は、町の歴史が飾りではなく手触りで残っている場所だった。無料なのに第1・3日曜だけ開く、少し秘密めいた入口が気になる。
  2. 図書館へ向かう道で、駅前の交通の気配が少しずつ生活の速度に変わる。蔵書14万冊超の施設がこの規模の町にあることに、思わず歩幅がゆるんだ。
  3. サンラヴィアンの直売店では、ふぞろいワッフルや切れ端菓子が並び、工場の余白がそのまま小さな楽しみになる。カフェは9時から、ジェラートは昼から。時間差まで面白い。
  4. つばきの丘運動公園は、子どもの遊具や多目的グラウンドだけでなく、海の見える丘のウォーキングコースまで抱えている。山に囲まれた町が、ここだけ急に遠くへ開く。
  5. 仁科芳雄博士の生家は、少年時代を過ごした家屋を原型のまま修復して公開している。大きな功績の入口が、意外にも浜中の静かな住宅地にあることに少し驚いた。
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