LoqiRoam · 旅日記

川音から古木まで

根尾川から文殊の森、断層、淡墨桜へ。水と地形と暮らしの静かな変化をたどった。

木知原では、駅の名前より先に根尾川の流れを探した。水辺から文殊へ移ると、旅は景色を見るだけでなく、道具や記録を通して誰かの暮らしを想像する時間になった。森では音が薄くなり、その静けさを抱えたまま樽見鉄道で上流へ向かった。根尾谷地震断層観察館で、床を横切る断層と六メートルのずれを知る。大地は黙っているようで、もっとも大きな声を残していた。その後に見た淡墨公園の古木は、災害の記憶とは別の長さで立っていた。最後は桜の正面のカフェで、サンドウィッチと飲み物を前にした。静けさは無音ではなく、川、森、展示室、古木の前で順番に姿を変えるものだった。

この旅の足跡

  1. 木知原から川へ下りると、線路の気配より先に水の音が残った。根尾川は静かなのに流れが強く、ここから上流へ向かう理由が少し見えた。
  2. 本巣民俗資料館は文殊324番地にあり、開館時間は9時から17時。展示を見るには申込みが必要と知り、暮らしの記憶は偶然には開かれないのだと思った。
  3. 文殊の森公園には、森林セラピーの道として紹介される「ササユリの道」がある。名所を見るより、木陰で音が薄くなる変化を確かめたくなった。
  4. 根尾谷地震断層観察館では、館内を断層が横切り、濃尾地震による上下約6メートルの変位を保存している。静かな建物の床下に、地面の声があった。
  5. 淡墨公園は淡墨桜を中心にした約4500平方メートルの芝生広場がある。花の季節でなくても、古木の前では時間の尺度が人より長いことに驚く。
  6. 淡墨桜の正面にあるCafe Neoは、デザートとサンドウィッチを出す小さな店。景色を独占せず、窓の向こうの古木と飲み物の温度を同時に覚えて帰る。
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