LoqiRoam · 旅日記

北小金、まっすぐではない帰り道

宿場の記憶、寺の木立、公園、水辺、カフェを曲がり角でつないだ北小金の散策。

北小金駅を出たとき、最初から本土寺へ向かうのは少し素直すぎる気がした。そこで南口から旧水戸街道へ入り、水戸殿旅館跡で小金宿の記憶を拾う。道は現代の住宅街に戻っているのに、かつて旅人が泊まった場所だと思うと、角を曲がるたび誰かの旅の続きを歩いているようだった。東漸寺では参道の木立に音を吸わせ、本土寺ではさらに緑の奥へ寄り道する。寺の静けさが濃くなりすぎたところで小金公園へ逃げると、長いすべり台と遊び声が景色を現在へ引き戻した。最後は富士川沿いの農道めいた道を選び、畑と住宅の境目を何度も見失う。駅近くのドトールでコーヒーを飲みながら、今日は名所を集めたのではなく、道の気分に連れられて歩いたのだと気づいた。

この旅の足跡

  1. 旧水戸街道の小金宿を歩くと、駅前なのに道の奥行きが急に伸びる。水戸殿旅館跡は宿場の専用宿泊所だったそうで、今の住宅街にその記憶だけが薄く残っているのが面白い。
  2. 東漸寺は北小金駅南口から旧水戸街道を進んで約6分。参道の先に木々が重なり、駅前の音が薄くなる。受付時間は9時から17時、無料で立ち寄れるのも気ままな旅にはありがたい。
  3. 本土寺は駅から徒歩15分ほどで、平賀の奥に境内を広げる。紫陽花寺として知られるが、季節を限定しなくても参道の緑が濃い。開門は通常5時から17時で、早い時間の寄り道もできそうだ。
  4. 小金公園は住宅地の高低差を使った公園で、長いすべり台や大きな木々がある。名所の余韻で来たのに、子どもたちの遊び声が景色を現在形に戻してくれた。北側から入るほうが歩きやすいらしい。
  5. 富士川沿いには、駅前の商業地から少し離れただけで農道のような歩き方ができる区間がある。水面を眺める名勝ではないのに、曲がるたび畑と住宅の比率が変わり、目的地を見失う感じが楽しい。
  6. ドトールのイオン北小金店は9時から21時まで営業し、52席と無料Wi-Fiがある。最後にここへ戻ると、古い街道や寺の静けさが、今度はコーヒーの湯気の中で少しだけ現実離れして感じられた。
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