LoqiRoam · 旅日記

石畳から大井川へ、曲がり角の気分で

金谷坂の石畳から茶と鉄道の拠点を経て、川越しの歴史と蓬莱橋へ向かった遠回りの旅。

代官町を出て、最初の角では駅前らしい便利さを少し裏切り、金谷坂の石畳へ向かった。430メートルの坂は、歩くたびに昔の道へ身体を戻してくる。上りきった牧之原公園では、茶畑の向こうに大井川と空が広がり、道の細さが急にほどけた。そこからは大井川鐵道に乗る気分で門出へ寄り、KADODE OOIGAWAの茶と農のにぎわいを覗いた。新金谷駅の古い駅舎を見ていると、旅は目的地より出発の仕方に似ていると思う。島田市博物館では川越しの歴史を知り、川越遺跡でその不便さを風の中に置き直した。終着に選んだ蓬莱橋は、897.4メートル。長いのに急がされない。水面を横に感じながら渡ると、今日選んだ曲がり角が一本の木の線にまとまっていった。

この旅の足跡

  1. 430メートル続く金谷坂の石畳は、坂なのに足音が妙に落ち着く。昔の旅人も、この角で息を整えたのだろうか。
  2. 牧之原公園は茶畑の向こうに大井川、さらに富士山や駿河湾まで見渡せる場所。坂を上った甲斐が、少し大げさに返ってくる。
  3. KADODE OOIGAWAは門出駅に直結し、16種類の緑茶や農産物を味わえる。駅を出たらまた駅、という少し可笑しい寄り道になった。
  4. 新金谷駅には百年近い歴史を持つ駅舎と車両基地がある。列車を待たなくても、線路の向こうに旅の続きが見えてくる。
  5. 島田市博物館は大井川の川越し制度や島田宿を扱う人文系の館。川を渡る前に、渡れなかった時代の気配を少し借りた。
  6. 川越遺跡には島田宿の川越しを伝える建物や道の景観が残る。展示室より風が多く、昔の不便さが少しだけ具体的になった。
  7. 蓬莱橋は全長897.4メートルの木造歩道橋。数字の語呂合わせより、渡っても渡っても水面が横にいる感じのほうが印象に残る。
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