LoqiRoam · 旅日記
川辺の町から英彦山の静けさへ
添田の公園と旧街道からBRTで山麓へ移り、財蔵坊と英彦山神宮参道で土地の信仰と静けさをたどった。
西添田を出て、まず添田公園の不動池と木陰へ向かった。駅から近いのに、谷と渓流の気配があり、旅の速度を落とすにはちょうどよかった。旧街道沿いの中島家住宅では、主屋だけでなく醤油蔵と酒蔵まで残る商家の構えを見て、添田が英彦山への道の途中で栄えた町だったことを想像した。そこからBRTを使って歓遊舎ひこさんへ移ると、山の入口は物産館や食堂を含む生活の場でもあるとわかった。最後は財蔵坊で山伏の暮らしに触れ、銅鳥居から杉の参道へ入った。石段を急がずに立ち止まると、出発時の川音が遠くから戻ってきた。静けさは無音ではなく、土地の時間が重なって聞こえる状態なのだと思う。
この旅の足跡
- 不動池を囲む添田公園は、桜や梅の木が多いだけでなく、岩石山の麓の谷や渓流にも近い。木陰に入ると駅の近さを忘れ、歩き始めの呼吸が整った。
- 中島家住宅は安政6年の主屋に加え、醤油蔵と酒蔵も残る国指定重要文化財だった。旧街道の商家を外から眺めるだけでも、添田が英彦山への宿場だったことが見えてくる。
- 歓遊舎ひこさんはBRTの駅前にあり、物産館は9時から18時、食堂も昼に開く。町内産の品を見ていると、山の入口が観光施設だけでなく日常の買い物の場でもあるとわかる。
- 財蔵坊は英彦山修験道の坊舎を今に残す資料館で、内部公開は土日祝の要事前連絡、外観は常時見られる。小さな建物の静けさに、かつて約250の坊舎があった山の厚みを感じた。
- 英彦山神宮の銅鳥居は高さ6.9メートルの青銅製で、1637年に寄進された重要文化財。大きさに圧倒される一方、鳥居の先の参道は杉の影が深く、音が急に遠くなった。
- 英彦山神宮の参道は銅鳥居から奉幣殿へ続き、400段ほどの石段もある。上宮まで無理に進まず、木立と石の間で立ち止まると、旅の最初の川音が遠い記憶に変わった。