LoqiRoam · 旅日記

水の道に、いくつもの音

垣生公園から堀川、中間の近代産業遺産、資料館、図書館、手仕事の店へ、音の変化で歩いた。

通谷を出て、まず垣生公園へ向かった。池の向こうに朱塗りの橋があり、その先に神社と横穴古墳が続いている。桜の名所として知られる場所なのに、私の中に残ったのは花よりも、水面を渡る風と、遠くの列車がほどけていく間合いだった。そこから堀川の中間唐戸へ歩くと、景色の静けさに水運の記憶が重なった。やがて遠賀川水源地ポンプ室の赤煉瓦が見え、1910年から今も水を送り続ける建物の前で、音をたどる旅が産業の時間へ変わった。資料館で古代の出土品や石炭産業の資料を見て、図書館ではCDやDVDの棚にも寄り道した。最後は、唐揚げと和菓子を扱う店で包みを受け取る。大きな観光の音ではなく、水、舟、機械、本、包み紙。土地の日常に近い音ほど、帰ってから長く残るものなのかもしれない。

この旅の足跡

  1. 垣生公園は桜や紅葉だけでなく、池の朱塗りの橋から埴生神社や垣生羅漢百穴へ続いている。水鳥の声を聞きながら、景色の中に古墳が隠れていることに驚いた。
  2. 堀川の中間唐戸は、遠賀川と堀川を結んだ水運の記憶を今に残す場所だ。水路の幅を見ていると、かつて荷を積んだ舟の速度を想像してしまい、町の静けさが少し違って聞こえた。
  3. 遠賀川水源地ポンプ室は1910年操業開始の赤煉瓦建築で、現在も送水施設として稼働している。敷地には入れないのに、川辺から建物の仕事の音を想像できるのが不思議だった。
  4. 中間市歴史民俗資料館には化石や古代の出土品、堀川関連資料、石炭産業資料、民俗資料が並ぶ。外で聞いた川と煉瓦の気配が、展示の中で一本の時間につながった。
  5. 中間市民図書館は午前9時30分から午後7時まで開館し、図書だけでなくCDやDVDも扱っている。旅の途中で音を探す場所として、静けさの中に別の入口があった。
  6. からあげにわ菓は唐揚げや鶏のたたきと和菓子を扱い、工程を手作業で大切にしている。揚げ物の気配と甘味の包みが同じ店にあることに、旅の終わりらしい余白を感じた。
地図と足跡で読む