LoqiRoam · 旅日記
川面から杉の間へ
森、川、鉄路、山、炭鉱の記憶を光の変化でつないだ。
源じいの森では、温泉や食堂の気配を横目に、まず木々の間の明るさを見た。今川公園へ下ると、光は葉の形ではなく水面の揺れになった。赤駅前では、未成線跡を走るトロッコの話が景色に時間を足した。そこから香春神社へ向かい、山王石と一ノ岳の白い山肌を見上げる。田川の石炭記念公園では、堅坑櫓と煙突が夕方の空を切り、自然だけではない筑豊の輪郭が現れた。最後に英彦山神宮へ。杉の間から差す光は細く、朝に見た森と同じ場所へ、別の静けさで戻っていった。
この旅の足跡
- 森の中に温泉、食堂、囲炉裏の談話室まである。駅前の便利さより、木々の隙間で光がゆっくり変わることに惹かれて出発した。
- 今川公園は油須原駅の近く、川沿いの平野にある。水面は森より空を強く映すはずで、同じ村の中でも光の広がり方が変わるのが面白い。
- 赤駅前から走る赤村トロッコ油須原線は、未成線跡を約3.6km進む。トンネルにコウモリがいるという話に、明るい車窓との対比を感じた。
- 香春神社は一ノ岳の麓にあり、境内には山王石と呼ばれる大石がある。山の白さと社殿の影が近く、古い信仰が光を留めているように見える。
- 石炭記念公園には旧三井田川鉱業所の堅坑櫓と煙突が残る。高く立つ黒い構造物に午後の光が当たり、産業の記憶が空へ伸びていた。
- 英彦山神宮は9時から17時の開門で、奉幣殿へは山道とスロープカーで近づける。日が低くなるほど杉の間の光が細くなり、静かな終着になる。