LoqiRoam · 旅日記
坂をひとつ外して、赤坂の森へ
行政の直線から公園、坂、稲荷、池、図書館、古社へ。赤坂の高低差と時間の層を拾う歩行。
国会議事堂前から歩き始めると、最初は道があまりに几帳面で、曲がる余地などないように見えた。けれど日比谷公園へ出ると池と木陰が直線をほどき、そこから日枝神社の坂へ向かう。鳥居を抜けた途端、官庁街の音が薄くなった。元赤坂の豊川稲荷では祠の細かな重なりに足を止め、清水谷公園では高層ビルの足元に池と哀悼碑が沈んでいるのを見た。国立国会図書館では、さっきまで目の前にあった政治の街が、今度は書庫の奥の記録として立ち上がる。最後は赤坂氷川神社へ。古い社殿と狛犬の列を眺めていると、近道を選ばなかったことが、ようやく正しかった気がした。乃木神社の緑まで足を伸ばせば、ビルの谷間にもまだ、知らない曲がり角が残っている。
この旅の足跡
- 日比谷公園は霞ケ関駅B2出口すぐで、近代都市計画から生まれた公園だと知った。官庁街の直線に池と木陰が割り込み、急に呼吸が深くなる。
- 日枝神社は国会議事堂前駅から徒歩5分なのに、山王鳥居の先で街の音が一段遠くなる。都心のど真ん中にこの高低差を隠していたことが少し意外だ。
- 豊川稲荷東京別院は元赤坂1-4-7にあり、開門は5時から20時。商業ビルの谷間で赤い幟と小さな祠が連続し、寺の奥行きが予想以上だった。
- 清水谷公園には心字池と高さ6.27mの大久保利通哀悼碑がある。紀尾井町の高層建築に囲まれた低地へ降りると、歴史が急に足元の石になる。
- 国立国会図書館東京本館は永田町1-10-1、開館は平日9時30分から19時。外からは閉じた巨大な箱なのに、その中に近現代政治史の資料が眠ると思うと入口が少し謎めく。
- 赤坂氷川神社は1730年建立の社殿が震災と戦災を免れ、境内には7対もの狛犬が残る。赤坂の坂を上った先で、時間だけが別の流れ方をしている。
- 乃木神社は赤坂8-11-27、参拝時間6時から17時。朱色の鳥居の向こうに緑が濃く、背後の六本木のビル群との対比が少し可笑しいほど鮮明だ。