LoqiRoam · 旅日記
海の明るさから、町の影へ
興津の海から守谷、鵜原の岬と海中、勝浦の神社と朝市へ。光と影の見え方が少しずつ変わる旅。
上総興津の駅を出ると、まず興津海岸の砂浜へ向かった。ブルーフラッグの海は明るく、波の音が余計なものを遠ざけてくれる。けれど守谷海岸では、沖の渡島が視線を止めた。干潮なら砂浜とつながるというその島は、海が道を隠したり現したりすることを教えてくれた。鵜原理想郷では、木々の間の遊歩道と歌の刻まれた道標をゆっくり進み、海中公園では水深八メートルの窓から別の暗がりを覗いた。最後は勝浦へ移り、遠見岬神社の森のような境内から市街を見下ろす。朝市の通りへ下りると、魚や野菜を並べる人の声、軒下の細い影があった。自然の影を追っていたはずが、終着で見つけたのは、暮らしが毎朝つくる影だった。
この旅の足跡
- 興津海水浴場はブルーフラッグ認証の海岸。駅から近いのに、砂浜へ出ると音が急に波だけになる。光を追う旅の出発にした。
- 守谷海岸の沖には渡島があり、干潮時には砂浜とつながることもあるという。今日は見えなくても、海が道を隠している感じがした。
- 鵜原理想郷は一周2300mの遊歩道。海の輝き、植物、鳥の声に加え、道標には与謝野晶子の歌も刻まれている。
- かつうら海中公園の展望塔は高さ24.4m、水深8m。海面のきらめきを離れ、窓の向こうの魚影を探す場所にした。
- 遠見岬神社は勝浦市街を見下ろす古社で、樹木の繁る境内が森のように暗い。階段の先で海と町の境目がほどけた。
- 勝浦朝市は早朝から11時頃まで、月の前半と後半で通りを変えて開かれる。売り手の声と軒下の影が、旅を暮らしへ戻してくれた。