LoqiRoam · 旅日記
松林の向こうで、予定をほどく
動物園から神話の森、花の庭、黒松の海岸を経て、佐土原の器とカフェへ着地する旅。
日向住吉を出ると、最初はフェニックス自然動物園の大きな入口へ向かった。9時から17時まで開く場所らしく、動物の気配と人の歩く速度が旅をいきなり外向きにする。けれど、阿波岐原へ曲がると空気は木立のものになり、江田神社の古い由緒を見たあと、近くのみそぎ池で足を止めた。水面は静かなのに、神話の始まりを背負っているようで、説明を読み終えても少し納得しきれない。その曖昧さを抱えたままフローランテ宮崎へ移ると、花壇と芝生の整然とした明るさが目に入る。最後は一ツ葉海岸で黒松の隙間から海を眺め、風に予定をほどいてもらった。帰り道は佐土原の住宅地にある器とカフェの店へ。自家製ケーキと器の静かな並びを見ていると、遠くへ行ったというより、曲がり角ごとに別の暮らしへ触れた一日だったと思う。
この旅の足跡
- フェニックス自然動物園は9時から17時まで開園し、フラミンゴやゾウの気配がある。駅から近いのに、入口で旅が急に大きくなった。
- 江田神社は『みそぎ発祥の地』として知られ、古い社名が延喜式にも見える。木立の奥へ曲がるだけで、街の音が一段遠くなった。
- みそぎ池は阿波岐原の森に囲まれた小さな御池で、神話の舞台として伝わる。水面は穏やかなのに、何が始まった場所なのか少し考え込む。
- フローランテ宮崎は9時から17時までの都市緑化植物園で、花壇や芝生、ガラスハウスが並ぶ。森の沈黙のあとでは、整った色彩が少し眩しい。
- 一ツ葉海岸は日向灘に沿って10キロ以上続く砂浜で、黒松林が背後に残る。海はまっすぐなのに、松林の出口ごとに見え方が違って面白い。
- Toé Crafts and Cafeは佐土原の住宅地にある器の店とカフェで、自家製ケーキやオリジナルブレンドを扱う。最後に物を眺めながら休むと、道の記憶まで手触りになる。