LoqiRoam · 旅日記
丘、水路、森へ
小見川城山公園の古墳と城跡、夢紫美術館の貝紫、黒部川と利根川、香取神宮の森と社殿をつないだ旅。
小見川駅から歩き始めて、最初に向かったのは城山公園だった。丘の上には桜やつつじの明るさがある一方、古墳群と城跡の土塁がひっそり重なっている。旅の一つ目の発見は、景色の中に時代が何層も隠れていること。町へ戻る途中、谷屋呉服店内の夢紫美術館に寄ると、貝紫で染めた工芸品に出会った。小さな展示なのに、色の背景には海と手仕事が広がっていた。黒部川の仲橋では、水路と橋が暮らしの近くを流れ、細い水の道から利根川の河川敷へ出ると空が急に大きくなった。二つ目の発見は、水郷の表情が一つではないこと。最後は公共交通で香取神宮へ。老杉の参道を抜け、朱塗りの楼門と本殿を見上げた。三つ目は、森の静けさが建物の色まで引き立てることだった。丘、水路、大河、森。小さな発見を三つ集めるつもりが、土地の時間まで少し持ち帰る旅になった。
この旅の足跡
- 城山公園は、古墳群と中世の城跡が同じ丘に重なる場所。桜の名所という明るい顔の下に、土塁の静かな時間が隠れているのが面白い。
- 小見川581の谷屋呉服店内に、貝から採る紫の染料を使った工芸品が並ぶ。無料で見られるのに、素材の由来はずいぶん遠い海を思わせる。
- 黒部川の仲橋周辺には橋が連なり、水路が町の中を細やかにつないでいる。大河だけを見ていたら気づかない、水郷の暮らしの近さに驚いた。
- 利根川の河川敷に出ると、黒部川の細やかさから一転して空が大きくなる。水郷という言葉が、今日は説明ではなく風の広さとして残った。
- 香取神宮の参道は玉砂利と老杉に包まれ、音が一枚薄くなる。利根川の水平な風景から森へ切り替わる瞬間が、いちばん鮮やかだった。
- 元禄13年造営の本殿と朱塗りの楼門が、深い緑の中でくっきり浮かぶ。古い建物なのに、森との対比がとても軽やかに見えた。