LoqiRoam · 旅日記

山の足元で、道を選び直す

香春の信仰と休憩、田川の炭坑遺産、木立を経て英彦山神宮へ向かう転調の旅。

出発点では、名前より座標のほうを信じることにした。最初の曲がり角は香春岳の足元だった。香春神社で山王石を見上げ、道の駅香春で人の暮らしに戻る。そこから田川へ向かうと、二本煙突と竪坑櫓が空に残っていた。公園という柔らかな名前の中に、かつて地面の下へ降りていった人々の時間が立っている。博物館では記録画と古い出土品が隣り合い、土地の記憶は一枚岩ではないと気づく。丸山公園でいったん木立に逃げ、最後は英彦山神宮へ。便利な順路から少し外れたぶん、終着の山の静けさが、出発時より大きく感じられた。

この旅の足跡

  1. 香春神社は香春岳の一ノ岳の麓にあり、新羅ゆかりの神を祀る。山王石の大きさに少し驚き、町の背後に山が立つ感じがした。
  2. 道の駅香春は9時から18時まで営業し、道沿いで食事と買い物ができる。観光地らしさより、旅人が一度立ち止まる生活感が面白い。
  3. 石炭記念公園には二本煙突と伊田竪坑櫓が残り、炭坑節発祥の地碑やSLもある。公園なのに、空へ伸びる産業の骨格が見える。
  4. 田川市石炭・歴史博物館には山本作兵衛の炭坑記録画や古墳時代の資料も展示される。炭鉱だけでなく、土地の時間が重なっているのが意外だった。
  5. 丸山公園は約1000本のソメイヨシノで知られる公園。桜の季節でなくても、坂の先に木立が残り、街の音が一段遠くなる。
  6. 英彦山神宮は標高の高い英彦山にあり、奉幣殿へ向かう参道には山の湿り気がある。遠回りの終着にすると、旅全体が少し神話めいて見える。
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