LoqiRoam · 旅日記

角を曲がるたび、町の時間が増えていく

八日市から太郎坊宮、御代参街道、商店街のカフェ、文化芸術会館、菓子店をつなぐ散歩。看板と小道を手がかりに、地域の古さと現在を味わった。

八日市を出て、まずは案内の文字が誘う方向へ歩いた。太郎坊宮では斜面を上る身体の感覚に驚き、強い言葉の看板を見ながら、歩くこと自体が小さな祈りにも見えた。そこから御代参街道へ向かうと、古い道は一直線ではなく、曲がり角ごとに町の見え方を変えた。ほんまちカフェでは商店街の気配を窓越しに眺めながら、コーヒーで歩幅を整えた。文化芸術会館では、八日市が過去を保存するだけでなく、今も舞台や展示を生み出していると気づく。最後は八日市の杜で菓子と木立に寄り道し、看板を追っていた目をゆっくり休ませた。大きな名所を集めなくても、斜面、曲がり角、湯気、展示、甘味が順番に現れると、町は一枚の地図ではなく、何度も開く折り畳みのようになる。

この旅の足跡

  1. 太郎坊宮の石段と夫婦岩は、看板の「勝運」という言葉を景色と身体で確かめる場所だった。急な斜面を上るほど、願いは掲げるだけでなく歩いて近づくものかと考えた。
  2. 御代参街道の八日市周辺は、旧街道らしい曲がりと町家の気配を歩いて読める。まっすぐ進むより角で振り返るほうが看板の文字がよく見え、昔の旅人の視線を想像した。
  3. ほんまちカフェは、商店街を眺めながらハンドドリップのコーヒーを味わえる店。古い通りの看板を追ってきた目が、湯気の向こうで少しだけ速度を落とした。
  4. 八日市文化芸術会館は、804席のホールと展示室を備え、舞台芸術や展覧会を受け止める地域の拠点だった。古い道を見たあと、町は今も何かをつくっていると気づいた。
  5. 八日市の杜は、和菓子と洋菓子を扱い、カフェでは焼きたてショコラバームのメニューもある。店名どおり木立の静けさがあり、看板の多い町から一度味覚へ逃げ込めた。
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