LoqiRoam · 旅日記
水まわりから文学まで、角を六つ
北方からモノレールで小倉中心部へ移動し、ものづくり、商店街、市場、紫川、城下の公園、文学館を曲がり角でつないだ。
北方からモノレールに乗ると、出発点の住宅地がすぐに遠ざかった。最初に訪ねたミュージアムでは、暮らしの道具が時代ごとに姿を変えていて、旅の入口としては妙に実直なのに、なぜか気に入った。その後は魚町銀天街へ。日本初のアーケードという大きな肩書きの下で、店先の小さな動きに目を奪われた。旦過市場では予定していた順路をいったん捨て、匂いの強い方へ曲がった。賑わいを抜けると、紫川の水中を覗く観察窓が待っていた。地下で川を見るという逆さまな感覚のあと、勝山公園の風に当たり、小倉城の白さを遠くから眺めた。終着は文学館。名所を集めたというより、道具、商い、水、緑、言葉の順に、街の層を一枚ずつめくった午後だった。
この旅の足跡
- 便器や水栓の形が、思っていたより時代の癖を映していた。無料で見られるのに展示は本格的で、旅の最初から少し意表を突かれた。
- 魚町銀天街は昭和26年創立で、日本初のアーケード商店街と知った。屋根の下を歩くと、買い物の道なのに街の博物館みたいに見えてくる。
- 旦過市場は魚の荷揚げ場から始まったとされ、今も北九州の台所と呼ばれている。店ごとに営業時間が違うらしく、角を選ぶ緊張感まで食欲になる。
- 水環境館には紫川の水中を望める大きな観察窓がある。川を上から眺めるだけだと思っていたので、地下で水の側に引き込まれる感じが意外だった。
- 小倉城と勝山公園は、城の白さだけでなく紫川や芝生の広がりまで含めて街の余白を作っている。名所の正面を外れると、急に風が主役になった。
- 北九州市立文学館は城内の落ち着いた場所にあり、開館時間は9時30分から18時。展示を見る前から、街の音が少し遠くなる角だった。