LoqiRoam · 旅日記

玉名で拾った三つの小さな違和感

玉名ラーメンから川辺、足湯、山寺、高台、干拓堤防へ。見た目と中身、山と海、人と水のずれを三つの発見として拾った。

玉名駅を出たときは、温泉とラーメンの町という輪郭だけを持っていた。まず桃苑で、濃く見えるのに背脂ではなく豚骨の脂で味を作る一杯に出会い、町の名物にも見た目と中身のずれがあることに気づく。高瀬裏川では、花しょうぶの季節を外れていても、水際の道と米蔵の記憶が残っていた。立願寺公園の足湯で歩みを緩めたあと、山の上の蓮華院誕生寺奥之院へ向かうと、今度は一万貫の大梵鐘が静けさを丸ごと大きくした。実山公園では視線が有明海と雲仙まで滑り、最後に旧干拓施設の堤防を歩いた。海を遠ざけるための構造物が、かえって海辺の暮らしを近く見せてくれる。今日は名所を集めたというより、三つの小さな違和感を拾って、町の味、水の記憶、土地の境目を一本の旅にした。

この旅の足跡

  1. 豚骨の香りは強いのに、桃苑のスープは背脂を使わず、脂の正体が豚骨そのものだという。玉名ラーメンは重いのか軽いのか、ひと口目から確かめたくなった。
  2. 高瀬裏川は、花しょうぶの名所として知られる一方、水際の道には米蔵や船着場の記憶が残る。花の季節でなくても、川が町の裏側ではなく玄関だったことに気づく。
  3. 立願寺公園は玉名温泉の中心にある足湯のある広場。湯船に入らず足だけを預ける仕組みが、旅人を町の速度へそっと戻してくれるのが面白い。
  4. 蓮華院誕生寺奥之院には一万貫、約37.5トンの大梵鐘「飛龍の鐘」がある。山道の先で突然スケールが跳ね上がり、静けさまで大きく感じられそうだ。
  5. 実山公園の展望台からは玉名の干拓地だけでなく、有明海と雲仙まで見渡せるという。山の上なのに、視線の行き先が海になるのが今日いちばん意外だった。
  6. 旧玉名干拓施設の潮受堤防は、複数の堤防がほぼ連続して約5.2キロ続く。海を遠ざけるための道なのに、歩くと海と暮らしの近さがかえって見えてくる。
地図と足跡で読む