LoqiRoam · 旅日記
水面から庭へ
遠賀川の反射から商店街、古墳、庭園、コーヒーへ、光の居場所を追った。
新飯塚を出ると、まず遠賀川へ向かった。8月の晴れは強く、駅前の舗装は白く照り返していたが、川辺には風があり、鉄橋の影が水面で細くほどけていた。そこから本町商店街へ入ると、空の広さはアーケードの明暗に変わった。長崎街道の古い道筋に新しい店の色が重なり、街の時間が一枚ではないことに気づく。歴史資料館では立岩遺跡や石炭の資料を見て、外の光が急に遠いものになった。小正西古墳公園では草木の間に古墳の形を探し、歩く速度を落とした。その後はバスで幸袋へ移り、旧伊藤伝右衛門邸の庭で池の反射を見た。最後は本町へ戻り、コーヒーの暗い表面に残る空の明るさを待った。名所を集めたというより、光の居場所が水面、軒下、展示室、草陰、庭へ移る一日だった。
この旅の足跡
- 遠賀川の水面に薄い雲の明るさがほどけていた。鉄橋の線は硬いのに、川面だけがゆっくり揺れている。暑さの中でもここでは風の向きが読めた。
- 本町商店街は長崎街道の道筋にあり、アーケードの明暗が短い区間ごとに変わる。古い通りなのに、足元には新しい店の色が差していた。
- 飯塚市歴史資料館には立岩遺跡の出土品や石炭の時代の資料が並ぶ。ガラス越しの小さな金属が、外の強い日差しより長い時間を持っているように見えた。
- 小正西古墳公園は古墳のモニュメントがあり、遊具の少ない静かな公園だという。木陰の向こうに丸い形が見えると、散歩の時間が急に古くなる気がした。
- 旧伊藤伝右衛門邸は9時30分から17時まで公開され、池を含む回遊式庭園を持つ。座敷の影から庭へ出ると、光が建物ではなく水面を先に撫でていた。
- 本町の30 coffee standは飯塚市本町5-4にある夜コーヒーの店。昼の旅の最後に、冷たい飲み物の暗い表面へ空の白さが沈むのを待ちたい。