LoqiRoam · 旅日記
曲がり角の先で、土と海に会う
焼き物と海運の町を路地でたどり、器と休憩を挟んで、最後は空港を望む海辺へ抜けた。
多屋を出て、まず焼き物の町へ向かった。大きな通りを急がず、煙突や黒い塀が見えるたびに細い道へ曲がる。やがて壁の向こうから巨大な猫が顔を出し、常滑の町は急に冗談めいて見えた。その先で出会った廻船問屋の家は、ここが土だけでなく海運でも栄えた場所だと教えてくれる。古い家の余韻を抱えたまま、倉庫の中の器とコーヒーに寄り道し、土管や瓶が積まれた坂道へ戻った。最後はりんくうビーチへ移動した。路地の曲がり角で拾った町の細部が、飛行機の向こうの広い空へほどけていく。終点を決めずに歩いたからこそ、海が少し意外な結論になった。
この旅の足跡
- 焼き物の煙突と黒い塀が、観光地というより生活の背後に立っている。路地の入口で景色の主役が建物か地面か、少し迷った。
- 見上げると幅6.3メートル、高さ3.8メートルの猫が街を見守っている。かわいさより先に、壁の向こうから顔だけ出す構図に驚いた。
- 1850年頃の廻船主の居宅が残り、常滑が焼き物だけでなく海運の町でもあったと分かる。土の町に船の記憶が混ざるのが面白い。
- 赤い屋根の倉庫の中に白い小屋が並び、器の店とコーヒースタンドが同居している。古い町のあとに現れる潔い空間が新鮮だった。
- 土管や焼酎瓶が積まれた景色は、壁そのものが窯業の記録みたいだ。細い坂を曲がるたび、町が展示室から生活道に戻っていく。
- りんくうビーチでは対岸の空港から飛行機が離着陸する。路地で拾った土の色が、最後には海と空の大きな余白に溶けていった。