LoqiRoam · 旅日記

石垣の上から、柳小路へ

甲斐善光寺の歴史から駅北口の近代建築、城跡の眺め、柳小路の暮らしへ進み、甲府の層を路地づたいに拾った。

南甲府を出たときは、ただ東へ行くつもりだった。けれど最初の曲がり角で甲斐善光寺を選び、山門と大きな本堂の静けさに足を止めた。信濃善光寺の宝物を守るために移されたという由来は、寺を単なる名所ではなく、避難の記憶として見せてくれた。そこから駅北口へ回ると、明治八年の藤村記念館が広場に立っていた。木造校舎の素朴さのあと、舞鶴城公園の石垣へ上がる。天守台から見下ろす甲府は、思ったより近く、道の線がほどけて見えた。城が武田氏の城ではないという小さな意外さも残った。帰りは大通りを選ばず、柳小路へ。裏路地の店とロジ寺崎COFFEEの香りに、観光地の外側で続く生活の時間を感じた。南甲府へ戻るころには、旅の収穫は景色の数ではなく、曲がるたびに街の厚みが変わったことだと思えていた。

この旅の足跡

  1. 山門をくぐると、甲斐善光寺の本堂は思った以上に大きい。武田信玄が信濃善光寺の宝物を移した由来を知ると、静けさにも少し緊張が混じる。
  2. 明治8年築の校舎が、駅北口の広場にすっと立っている。藤村記念館は無料で、木の階段を想像すると、甲府の近代が急に近くなる。
  3. 舞鶴城公園は甲府城跡の石垣と復元門が残り、天守台から四方を見渡せる。城は武田氏の城ではないらしい。その意外さを確かめに登る。
  4. 柳小路は商店街の裏に残る細い飲食店街で、ロジ寺崎COFFEEは自宅を改装した店。表通りの甲府とは別の呼吸があり、曲がった先で少し驚いた。
  5. ロジ寺崎COFFEEは本格的なエスプレッソを出す小さな店で、路地の静けさとコーヒーの香りが同居する。店先で立ち止まると、道にも居場所があると気づく。
地図と足跡で読む