LoqiRoam · 旅日記
空港を出たら、町の煙に曲がった
空港の展望から飛行機の丘、表参道の甘味と鰻、寺、公園へ。直線的な観光を避け、煙と水音に導かれて歩いた。
成田空港を出発点にしたのに、最初に見つけた旅の入口は搭乗口ではなく展望デッキだった。長い滑走路を眺め、次はさくらの山へ移動して、飛行機が頭上を横切る丘で空の大きさを測った。そこから成田の古い町へ向かうと、駅から寺へ伸びる表参道が思ったより長く、店の並びも一直線ではなかった。1845年創業の団子屋で甘さに寄り道し、1910年創業の鰻屋では煙に誘われて予定を少し変更した。成田山新勝寺の門を抜けると、商いの音がすっと薄まり、最後は大堂の裏の公園へ。三つの池と浮御堂、水琴窟の気配を拾っているうちに、旅の終着は名所ではなく、水音のする曲がり角になった。
この旅の足跡
- 滑走路が4,000メートル続く空港展望デッキ。飛び立つ機体を見ていると、旅の始まりは搭乗口より先に起きている気がした。
- さくらの山は滑走路北側の小高い丘で、約500本の桜と飛行機を同じ視界に入れられる。轟音が来るたび、丘全体が少し浮いた。
- 駅から続く成田山表参道は約800メートル。古い町家風の建物と店先が連なり、同じ道なのに曲がるたび旅館町にも市場にも見えた。
- 後藤だんご屋は1845年創業。成田の風景が変わっても製法を受け継ぐ店で、焼き目の香りに古さではなく現在の手触りを感じた。
- 川豊本店は1910年創業の鰻専門店。蒸して焼く鰻と継ぎ足しのたれが表参道の名物を支え、店先の煙に足が勝手に曲がった。
- 成田山新勝寺は940年に始まり、表参道の先で大きな堂と細かな彫刻を見せる。人の流れは多いのに、門を抜けると音の輪郭が変わった。
- 成田山公園には三つの池、浮御堂、水琴窟、滝がある。大堂を見たあと木立へ逃げ込むと、旅の終点が建物ではなく水音になった。