LoqiRoam · 旅日記
小平で、まっすぐ行かない午後
一橋学園からカフェ、玉川上水、ふるさと村、鈴木遺跡、中央公園へ、街の近さと深い時間を交互に味わった。
一橋学園駅を出て、最初の角で少し迷った。迷ったというより、駅前の便利さにすぐ答えを出したくなかったのだと思う。二階のカフェでスープの気配を想像し、そこから商店の通りを外れて玉川上水へ向かった。木々の下では、道路の音が水路に吸い込まれるようだった。緑道を歩いたあと、小平ふるさと村で復元された農家や郵便局舎を眺めると、いま歩いている住宅地にも、開拓と農の時間が薄く重なっている気がした。さらに鈴木遺跡の旧石器まで見に行くと、旅の尺度が急に長くなる。最後は中央公園の築山で電車を待った。目的地を決めて歩いたはずなのに、印象に残ったのは目的地ではなく、そこへ向かう途中で選ばなかった道のほうだった。
この旅の足跡
- 駅から一分の二階に、スープとケーキを置いた小さな店がある。朝から開いているのが意外で、ここで出発を急がない理由ができた。
- 玉川上水へ歩く途中、レナードコーヒーは一橋学園駅から約400メートル。午後5時までの営業日に当たれば、路地の途中で珈琲に戻れる。
- 玉川上水沿いは、ただの水路ではなく1653年に開削された歴史の道。木々の間に橋名や小さな祠を探せるらしく、角を曲がるたび景色が変わる。
- 小平ふるさと村は江戸初期から明治以降までの建物を復元し、午前10時から午後4時まで開いている。無料なのに、時間の層が急に厚くなる。
- 鈴木遺跡資料館には約3万8千〜1万6千年前の旧石器が展示され、水路や農家よりさらに古い時間へ飛べる。水曜・土曜・日曜などの10時から16時に開館。
- 小平中央公園には木陰の道、じゃぶじゃぶ池、線路際の築山がある。水遊びの季節でなくても、丘から電車を待つ数分が旅の終わりに似合う。