LoqiRoam · 旅日記

久々利で、音の少ない方へ

久々利の食、歴史、城跡、ため池、陶芸、竹林をつなぎ、静かな気配の変化を追った。

姫駅を出たときは、まだ旅の輪郭がなかった。久々利へ向かい、井戸水を料理に使う店で昼を取り、土地の水が暮らしの味になることを知った。郷土歴史館では自然や民俗まで含む幅広い記録に触れ、そのすぐ先の久々利城跡で、建物のない斜面に残る土塁と空堀を見た。歴史は説明板より、足元の傾斜に強く現れることがある。小渕ため池では一転して、かつての技術が静かな水面を支えていた。午後は荒川豊蔵資料館で陶片と器の時間に入り、最後に可児川下流域自然公園の竹林を歩いた。終着で残ったのは名所の印象ではなく、水音、土の匂い、葉の擦れる音だった。

この旅の足跡

  1. 久々利の井戸水を使う豆腐料理に惹かれた。厚揚げの香ばしさの向こうに、店が平日の営業日を絞った理由も見え、土地の水の重みを感じた。
  2. 古代から近代までの自然・歴史・民俗を扱う資料館が、旧千村氏屋敷跡にある。展示を見る前から、屋敷の時間が周囲の道に残っているのが意外だった。
  3. 山腹に曲輪が段状に残り、土塁や空堀が要所を守る久々利城跡。華やかな建物はないのに、斜面の折れ方だけでかつての警戒が伝わってきた。
  4. 小渕ため池は昭和27年完成の日本最初のロックフィルダム。池畔では釣りをする人もいると知り、戦の跡の近くに穏やかな水の時間が続くことが印象に残った。
  5. 白壁の蔵を思わせる荒川豊蔵資料館では、志野や瀬戸黒、古陶磁器に加えて旧居宅と陶房も公開されている。作品より先に、土を見つめた時間を想像した。
  6. 駐車場から徒歩約10分の可児川下流域自然公園には、孟宗竹の緑のトンネルがある。観光の終点なのに、人の声より葉の擦れる音が長く残った。
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