LoqiRoam · 旅日記

看板を読んで、路地を曲がって、水面へ

ケヤキ並木から路地の看板、老舗の香りとおにぎりを経て、目白庭園の池へ歩いた。

学習院下を出たときは、駅名の先にある街をまだ一枚の地図としてしか見ていなかった。けれど鬼子母神堂へ向かうと、ケヤキの並木が大通りの音をほどき、朱塗りの堂まで自然に視線を運んでくれた。表参道では店の看板を眺め、寺町の塀と生活の路地が隣り合う不思議を拾う。さらに歩くと、1949年創業の小倉屋製菓の店兼工場にせんべいの香りを想像し、山太郎では現在の雑司が谷らしい昼の活気に出会った。最後に目白庭園へ入ると、池と赤鳥庵の景色が開ける。今日は名所を集めたのではなく、文字、軒先、木陰、香り、食事、水面の順に街の表情を読んだのだと気づいた。

この旅の足跡

  1. 鬼子母神堂へ続く約100メートルのケヤキ並木は、朱塗りの堂へ視線を自然に導く。大通りの音が薄れ、大木の幹が参道の案内板のように感じられた。
  2. 鬼子母神表参道は、堂へ向かうケヤキの列と門前の店先が重なる道。看板を一つずつ読むと、参拝のための道が暮らしの商店街でもあることに気づいた。
  3. 雑司が谷は路地が多く、寺の塀と普通の住宅が近い距離で入れ替わる。曲がるたびに生活の音が戻ったり消えたりして、地図より小道を信じたくなった。
  4. 小倉屋製菓は雑司が谷で1949年創業の店兼工場。せんべいの香りが店先まで届くと知り、奥まった入口の控えめな看板が急に気になってきた。
  5. 雑司ヶ谷の山太郎は本店が11時から15時、持ち帰り店も別にある。緑の建物と大きなおにぎりの案内を見つけると、散歩の途中に昼の目的地が生まれた。
  6. 目白庭園は中央の大きな池を囲む日本庭園で、赤鳥庵や滝、六角浮見堂も見える。看板を追っていた目が、水鏡の静かな反射に吸い込まれた。
地図と足跡で読む