LoqiRoam · 旅日記
影の濃さが変わる南大阪
公園、社、商店街、反橋、木陰、温室をつなぎ、都市の中で影の質が変わる瞬間をたどった。
住ノ江を出て、最初に住之江公園の水面を見た。池と松林のあいだでは、街の音が少しだけ丸くなり、歩き始めの焦りも影の中へ沈んだ。南西の社では、広い境内と社殿の輪郭が木立の向こうに重なり、自然の影が記憶の影へ変わっていく。安立へ抜けると、古い参詣道は商店街として今も息をしていた。店先の明るさに包まれたあと、住吉大社の反橋を見上げる。急な曲線は、渡る人の身体を小さくしながら、足元の影まで大きく見せた。そこから長居公園へ移ると、旅は名所を見ることより、見たもののあいだで速度を変えることになった。最後に植物園の温室で葉の影が壁をゆっくり動くのを眺め、遠くへ行かなくても、光の質だけで世界は何度も別の場所になるのだと思った。
この旅の足跡
- 住之江公園は都会の中にイングリッシュガーデン風の花と緑が続く。池の水面を見ていると、駅の音まで遠くなった。
- 大阪護国神社は住之江公園の南西角に広い境内を持つ。木立の向こうに社殿が沈み、影が建物より先に境内を語っていた。
- 安立商店街は住吉大社への参詣道として栄えた街道沿いにある。店先の明るさと古い道の細さが、歩く人の影を短くした。
- 住吉大社の反橋は長さ約20メートル、高さ約3.6メートルの急な曲線を描く。渡ると足元の影まで別の形に見えた。
- 長居公園は24時間開いている。広い園地の木陰では、社寺で見た濃い影がほどけ、都市の音だけが薄く残っていた。
- 長居植物園は季節により9時30分から開園し、温室では外と違う湿度が待っている。葉の影が壁を動くたび、遠い土地を思った。