LoqiRoam · 旅日記
橋を渡るたび、旅の向きが変わった
大森神社の大スギから白川橋、道の駅、佐見川峡を経て、上佐見の古民家カフェへ向かう川と山の旅。
下油井を出て、まず南東の細い道へ曲がった。大森神社の大スギは、案内に書かれた距離以上に時間を使わせる木だった。見上げているうち、旅は目的地へ進むものではなく、立ち止まる理由を拾うものに変わった。飛騨川へ戻る坂道では景色がひらけ、駅の静けさから川の広がりへ空気が切り替わった。白川橋では大正期の吊橋の構造と、飛騨川・白川の合流を眺めた。橋を渡って道の駅に寄ると、白川茶や土地の食べものが並び、休憩が買い物に化けた。さらに佐見川峡へ向かい、水の流れを追って山側へ入る。終着は上佐見の古民家カフェ。営業日は不定期なので、開いていたら幸運、閉まっていても山道を選んだこと自体が収穫だと思う。曲がり角を選ぶたび、予定より少し遠くへ来ていた。
この旅の足跡
- 駅から南東へ三キロほど歩くと大森神社。境内の大スギは道のりの長さを忘れさせるほど大きく、静けさの中で枝の広がりだけが妙に饒舌だった。
- 杉を見上げたあと、飛騨川へ戻る坂道で景色が急にひらけた。観光案内に載らない曲がり角ほど、歩く速度を落とす理由をちゃんと持っている気がする。
- 大正15年架橋の白川橋は、鋼トラスの主塔を持つ珍しい吊橋。橋の上では川の合流が見えるのに、音は一つの流れにしか聞こえず、少し不思議だった。
- 道の駅 美濃白川は土産物が9時から17時、レストランが15時まで。白川茶を見ていたら、休憩のはずが土地の名産を探す小さな買い物旅に変わった。
- 佐見川峡は、清らかな佐見川が飛騨川と出会う場所から上流へ続く渓谷。川岸の色が少しずつ変わるので、同じ水を追っているのに景色だけが先へ逃げていく。
- 山ト風トは上佐見の古民家カフェで、コーヒーや白川茶、素朴な料理を出す。営業日は不定期だから、最後に残したのは場所よりも、開いていたら嬉しいという期待だった。