LoqiRoam · 旅日記
川から丘、庭、そしてまた水へ
鮎喰川から文化の森、庭園、城跡を経て助任川へ戻る、森と歴史と水の旅。
川田を出て、最初に鮎喰川の河川敷へ向かった。広い場所なのに、日の出から日没までという時間の枠があり、川風のほうが人よりも先に歩いているようだった。そこから南へ移動し、園瀬川を見下ろす文化の森へ。六つの文化施設を包む森は、展示を見る前から歩くこと自体をゆっくりにした。旅の向きが変わったのは、眉山麓の竹林院だった。由来を持つ塔と庭の静けさに触れたあと、旧徳島城表御殿庭園で青石の橋を眺め、歴史が大きな物語ではなく、足元の配置として残ることに気づいた。中央公園の木陰を抜け、最後は助任川へ戻った。出発時の川とは違い、こちらには街の暮らしが近い。それでも水面は音を急がせず、今日の寄り道を静かに受け止めていた。
この旅の足跡
- 鮎喰川の河川敷は、日の出から日没まで開かれ、右岸と左岸に広い運動場が続く。人の声が遠のく場所で、川風だけが先に歩いていた。
- 文化の森は園瀬川を見下ろす約40ヘクタールの丘陵地で、図書館や博物館など六館が森に包まれている。施設より先に、坂道の緑が印象に残った。
- 竹林院には江戸時代初期から中期の築山泉水式庭園と、静御前ゆかりと伝わる十三層塔が残る。由来を知るほど、庭の沈黙が少し遠く感じられた。
- 旧徳島城表御殿庭園は枯山水と築山泉水の二つの庭からなり、徳島の青石が多く使われる。橋の形を目で追うと、庭が水の記憶を組み直しているようだった。
- 徳島中央公園には徳島城跡と鷲の門があり、庭園や博物館も隣り合う。観光地の中心なのに、木陰の道では足音のほうが街の音より近かった。
- 助任川河岸緑地は、水に親しめる川沿いの公園で、干潟観察園やせせらぎ広場もある。終わりに選んだ水面は、出発時の川とは違う都市の呼吸をしていた。