LoqiRoam · 旅日記

川へほどける午後

羽床の歴史から食、水辺、社寺へ歩き、最後は滝宮の光と味に着地した。

羽床の駅を出ると、最初に見えたのは観光地らしい景色ではなく、道の幅と畑の向きだった。小高い羽床城跡へ寄ると、戦の話よりも、藪の奥にあるという井戸の想像が残った。そこから安藤うどんへ下り、湯気の中で土地の時間に戻る。午後の暑さは強かったので、滝宮へは電車の区間も使い、綾川と府中湖の水辺を歩いた。水鳥の動きが止まるたび、水面の光だけが細く変わった。滝宮天満宮では、官舎跡という古い由緒が現在の境内の影に重なり、隣の滝宮神社では念仏踊りの身体の記憶を思った。最後に道の駅へ入り、果物や甘いものの色を見ていると、外の白い光が少し金色になっていた。遠くへ行かなくても、道、食、水、祈りの順に歩けば、午後は別の輪郭を持つ。

この旅の足跡

  1. 羽床城跡は羽床下の小高い場所に残り、戦国期の籠城の記憶を抱えている。藪の向こうに井戸跡があるという。見えない水の気配を想像した。
  2. 安藤うどんは羽床上の国道沿いにあり、朝から夕方まで営業する店として確認した。城跡の静けさの後、湯気と人の手へ戻る感じがした。
  3. 滝宮公園は綾川と府中湖の一帯にあり、季節の花と水鳥が見られる町民の憩いの場所。暑さの中でも、水面だけが少し遅く光っていた。
  4. 滝宮天満宮は菅原道真の官舎跡に建つとされ、讃岐守時代の記憶を今へつないでいる。境内の影は濃く、夏の白さを静かに受け止めていた。
  5. 滝宮神社は滝宮天満宮の西に鎮座し、両社の前で滝宮の念仏踊りが奉納される。踊りのない午後にも、広場には身体の記憶が残っている気がした。
  6. 道の駅滝宮は土産物、農産物、スイーツ、うどんの店が集まり、通常は朝から営業している。旅の終わりに、土地の味と西日の色が同じ棚に並んだ。
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